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第417回 ウミガメの産卵手伝い
串本海中公園のウミガメ人工産卵場では、そろそろ産卵期が終わりそうです。
毎日日付が変わるころまで残って産卵観察をしていましたが、ようやく解放されそうです。
今年の産卵観察では、久しぶりにちょっと変わった作業を行ったのでご紹介します。
ウミガメの産卵行動は7つの区分に分けられ、1.上陸、2.ボディーピット、3.穴掘り、4.産卵、
5.穴埋め、6.カモフラージュ、7.帰海となります。
この順序は基本的にどのウミガメでも同様ですが、各行動の時間や巧拙は個体によって様々で、
さっさと穴を掘って産卵する個体もいれば、いつまでもうろうろして中々産卵しない個体もいたり、
穴を掘るのも上手い下手があります。
ここで問題なのは、穴を掘るのが下手な個体です。
穴掘りを何度も失敗しているとその内産卵を諦めてしまうので、
最終手段として私が穴掘りを手伝います。
穴掘りを始めた個体に後ろからそっと近付き、四つん這いになってスタンバイします。
ウミガメは左右の後肢を使って交互に穴掘りをするので、左右を入れ替えるタイミングで
素早く手で砂を一掻きするのを繰り返します。
卵を産み始める前のウミガメは刺激を受けると産卵をやめてしまう可能性があるので、
ウミガメに触れないように素早く慎重に穴を掘ります。
ウミガメは自分で穴を掘っていると思っているかもしれませんが、
場合によっては大半を私が掘っていたりします。
この作業を15分から30分ほど延々と繰り返し、その結果卵を産んでくれたりくれなかったりします。
↑これがウミガメとの共同作業の結果産卵した卵です。
私一人で観察と作業をしているので、
穴掘り中のウミガメの真後ろで這いつくばって息をひそめる飼育員の様子をご紹介できず残念です。
中々きつい作業ですが、成功した暁にはウミガメが産卵し始める瞬間を観察することが出来、
これは担当者である私だけの特権です。
by とーる
第416回 アオリイカの成長
皆さんこんにちは!
今年の梅雨はあっという間に過ぎていきましたね。
天気が良い休みの日にはたまに釣りをして過ごすのですが、
先日、一緒に釣りをしていた人がなんとカエルアンコウを釣り上げました!!!
それも餌で釣ったわけでは無く、たまたま背ビレに針が引っ掛かったようでした!
カエルアンコウって釣れるんですねー、初めて見ました。
そんな釣り上げられたカエルアンコウは現在展示中です。是非探してみてくださいね!!
さて、そんなカエルアンコウが展示されている水槽の隣にはアオリイカの稚イカを展示しています!
この稚イカはトピックス水槽に展示していた卵から孵化した個体です。
↑孵化直後の稚イカ
全長1㎝程度で孵化した稚イカはすくすくと成長して1年後には胴長40㎝程度まで大きくなります。
大きくなるためにはその分たくさんの餌を必要とします。
孵化直後の稚イカはとても小さく食べられる餌も小さいため、
目の前の海から小型のプランクトンを採集してきて与えています。
主に与えているのはアミ類で、少し潜れば大量に採集できるため稚イカ育成には欠かせない存在です。
↑アミ類
スーッと獲物に近づいて触腕を使って一瞬で獲物を捕らえる姿が有名なイカの捕食シーンですが、
実は初めから餌をとらえるのが上手なわけではありません。
孵化後まもなくして餌を捕食するようになると積極的に餌を捕まえに行くシーンを目撃できます。
しかし、初めはめちゃくちゃ下手くそです。逃げられてしまったり、勢いが付きすぎて壁に引っ付いてしまったり、
そもそも触腕は使わずに全身で突撃します。それでも何度も何度も繰り返していくうちに少しずつ上達していき、
数日後にはヒョイヒョイと涼しい顔をして捕獲する姿を見せてくれます。
「失敗は成功のもと」まさにそんな姿を見せてくれます。
↑展示中の稚アオリイカ
そうやって餌を捕獲するのが上手になったイカは現在、生まれたときから約3倍ほどの大きさに成長しています。
最近では小さなイソスジエビも上手に捕獲できるようになりました。
これからもすくすくと大きくなるアオリイカを見守っていきたいと思います。
byまつ
第415回 今年初観測のサンゴの産卵
まだ6月ですが、すっかり気温は夏になってきました。
海の温度も24度ほどになり、タイドプールには南方系の幼魚達が出はじめました。
わくわくが止まらないさく太郎です。
さて、時間は少し遡り、6月21日に水族館前の海では通称枝サンゴと呼ばれる「スギノキミドリイシ」が産卵しました!

一部の範囲が産卵することもあれば、辺り一面のサンゴが産卵する一斉産卵の時もあります。
今回も一斉産卵に立ち会うことができました!

集団恐怖症の方は鳥肌物ですね・・・
このピンク色の粒がバンドルと呼ばれる卵の元です!この1粒の中には精子と卵が入っています。雌雄同体ということです。
不思議なことにこの中では受精せず、粒が割れて中身が放出された際に、他の群のサンゴから放出された精子や卵と受精します。
この中には油滴(ゆてき)がはいっているため、バンドルは水中に放出されるとゆっくりと水面へと上がっていきます。
水面で浮かんでいる間に波などの衝撃で割れて受精する仕組みです。
なので、産卵というよりは正確には放精放卵と呼んだりもしますが、打つと長いので産卵とします。
上の画像はまだ抱卵状態で、産卵直前です。大体20:30頃の様子です。
この時点で陸からも「あ、今日産卵するな。」と確証が得られます。
なぜなら、独特のサンゴ臭がするからです。生臭いような、磯臭いような・・・恐らく粘液の匂いだと思うのですが。
産卵が確認された次の日なんかも臭うので、一つの指標としています。
その約1時間後21:30ごろに産卵が開始されました。(一時間水中で待っていました。)
ゆっくりと水面に上がっていくバンドルを見ていると、時間が止まっているような感覚になります。
どアップでも頑張って撮影してみました。
最初の10秒ほどはカメラの位置を固定しようと格闘していますので、どうかご勘弁を。
ぽろっと卵が出てくる姿をみると、改めてサンゴって動物なんだなあと実感します。
産卵はサンゴの一年に一度の大仕事です。
産卵時期の予測は難しく、その時のサンゴの体調や水温、海域状況などで大きく変わり、地域によっても少し違うようです。
ダイビングショップなどの利用で一般の方も見ることは可能ですが、生き物の事ですので見ることができるかは最終的には運です。
ですが、興味のある方やサンゴを飼育している方々には是非とも見てもらいたい光景です。
来年も元気にサンゴが産卵することを願っています。
by さく太郎
第414回 海岸の足下には...
当館前には錆浦(さびうら)海岸という自然海岸が広がっています。
錆浦海岸は主に泥岩で構成されており、その海岸線は海が荒れた際に打ちあがった死サンゴで埋め尽くされています。

このような海岸はサンゴが発達した海域でのみ見られ、串本以北の海岸では中々見ることのできない光景です。
しかし、このような美しい海岸でも足元に目を向けるとペットボトルや漁具などの「海ごみ」が数多く流れ着いています。

近年、海ごみは世界中で深刻な問題となっており、海洋プラスチックゴミだけでも1億5000万トン以上(2020年時点)があるとされています。
このほとんどは街から発生したゴミで、路上に溜まったゴミが雨などにより川や水路を通って海へ流出しています。
現在も海ごみの量は増加し続けており、年間約800万トンが海へ流出していると推定されています(WWFジャパンwebサイト、日本財団ジャーナルwebサイトより)。
近年では「SDGs」と呼ばれる持続可能な世界を実現するための17の目標が国際サミットで採択され、その中には「海の豊かさを守ろう」という目標も含まれており、少しずつですが海ごみへの関心が高まってきていると思われます。
今回、当館前の海岸に流れついたゴミを何かに利用できないかと考えたところ、「キタマクラ」という魚が漁港のロープに寄り添いながら休んでいる光景をふと思い出しました。
海岸には漁具で使用されたと思われるロープも流れついていたため、それらを集めて展示物として再利用することにしました。
さっそく流れ着いたロープとブイを集めてキタマクラを展示している水槽内に入れてみました。

数日後、キタマクラがロープに寄り添って休んでくれていました!!
他にもサザナミフグやウツボもロープに寄り添う様子が観察されました!


元々はゴミであった漁具ですが、今後も魚たちの休息場所として利用されることを願っています…!
by Big West
第413回 ミナシのミナリのハナシ
タガヤサンミナシという貝をご存じでしょうか。

タガヤサンミナシはイモガイという貝の仲間で
串本周辺で普通に見られる貝の一種です。
イモガイの仲間は毒を持っていることでも有名で
このタガヤサンミナシも当然のように毒を持っています。
ちょっと覚えにくいこの和名は
特徴的な貝殻の模様に由来しております。
東南アジア原産のタガヤサン(漢字で書くと『鉄刀木』)という
木目の美しい木があります。
その木目の模様が美しいタガヤサン(樹木)と
タガヤサンミナシの美しい貝殻の模様をかけているという寸法ですな。
ちなみに「ミナシ」部分に関しましては
イモガイの仲間は殻に引っ込むと中身がないように見えるので
「身無し貝」ってとこに由来しております。

さて
現在、当館では4匹のタガヤサンミナシを飼育展示中なのですが
上の写真をよく見て見て下さい。
美しいタガヤサンミナシの隣に
何やらピンク色の塊が。

全く色も雰囲気も違う物体。
実はこちらもタガヤサンミナシなのです。
よく見たら右下から出ている水管の色が一緒でしょ。
なんで同じ種類の貝なのに
こんなに色が違うのか。
そもそも
このタガヤサンミナシは当館ではかなり長く飼育できる貝なのです。
餌は主に生きた他の巻き貝を捕まえて食べるのですが
当館前の磯で採ってきた貝を気前よく食べてくれます。
なので定期的に貝を採って与えるだけで
長期の飼育が可能なのです。
ちょいと手間がかかるので当館の飼育記録を調べた訳ではありませんが
私の記憶が確かならば長い個体で3年以上は飼育してるのではないでしょうか。
そんなこんなで長いこと飼っていると
貝殻の表面に色々なものがくっついてしまいます。
というわけで
このピンク色のタガヤサンミナシの正体。
それは長く飼っているため殻の上に石灰藻と呼ばれる
被覆性の海藻が生えてしまったタガヤサンミナシなのです。
その証拠に

ほら
海藻の生えていない裏側は
ちゃんと貝殻のタガヤサン模様が見えてるでしょ。
ちなみに
冒頭に出てきたキレイなタガヤサンミナシは
先日、地先の磯で他の職員が採集してきた新入り。
なので貝殻がキレイなのです。
タガヤサンミナシは美しい模様が特徴なので
表面を海藻が覆ってしまうと
最大の特徴が隠れてしまいます。
実際にタガヤサンミナシを知っている人からしたら
うちのタガヤサンミナシは思ってたんとちゃうっつー話です。
なので定期的に石灰藻を剥がして
キレイな貝殻を露出させようとするのですが
この石灰藻がまた剥がしづらいのなんの。
金属のヘラで削らなきゃ剥がせない上に
やり過ぎると貝殻が傷ついてしまいます。
さらに手で持って慎重にしっかり削りたいところですが
毒を持っているので刺されないよう気をつけなきゃいけません。
それなら石灰藻がついてすぐの剥がしやすい時期に
削りとるというのを繰り返せばいいのですが
私の性格的な話でそれもすぐにやらなくなってしまいます。
そんなこんなで1年も経つと
立派なタガヤサンミナシ(ピンクver.)になってしまうのです。
今回、入った新入り君は
何とかこの美しい模様を維持したいと思っています。
定期的に殻を磨いて
美しいタガヤサンミナシを皆様にお見せしたい所存で御座います。
もし来年、再来年あたりに来館された際に
ピンク色のタガヤサンミナシしかいなかった時は
「あいつやらなかったな」と思って下さい。
by ハムいち@守りたい、その模様



