
スタッフブログ【さびうらびより】スタッフ:BigWest一覧
串本の様子や様々な串本の生き物たちを、
スタッフが交代でご紹介します。
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第414回 海岸の足下には...
当館前には錆浦(さびうら)海岸という自然海岸が広がっています。
錆浦海岸は主に泥岩で構成されており、その海岸線は海が荒れた際に打ちあがった死サンゴで埋め尽くされています。
このような海岸はサンゴが発達した海域でのみ見られ、串本以北の海岸では中々見ることのできない光景です。
しかし、このような美しい海岸でも足元に目を向けるとペットボトルや漁具などの「海ごみ」が数多く流れ着いています。
近年、海ごみは世界中で深刻な問題となっており、海洋プラスチックゴミだけでも1億5000万トン以上(2020年時点)があるとされています。
このほとんどは街から発生したゴミで、路上に溜まったゴミが雨などにより川や水路を通って海へ流出しています。
現在も海ごみの量は増加し続けており、年間約800万トンが海へ流出していると推定されています(WWFジャパンwebサイト、日本財団ジャーナルwebサイトより)。
近年では「SDGs」と呼ばれる持続可能な世界を実現するための17の目標が国際サミットで採択され、その中には「海の豊かさを守ろう」という目標も含まれており、少しずつですが海ごみへの関心が高まってきていると思われます。
今回、当館前の海岸に流れついたゴミを何かに利用できないかと考えたところ、「キタマクラ」という魚が漁港のロープに寄り添いながら休んでいる光景をふと思い出しました。
海岸には漁具で使用されたと思われるロープも流れついていたため、それらを集めて展示物として再利用することにしました。
さっそく流れ着いたロープとブイを集めてキタマクラを展示している水槽内に入れてみました。
数日後、キタマクラがロープに寄り添って休んでくれていました!!
他にもサザナミフグやウツボもロープに寄り添う様子が観察されました!
元々はゴミであった漁具ですが、今後も魚たちの休息場所として利用されることを願っています…!
by Big West
第408回 串本の○○巡り
〇〇巡りと聞くと、カフェ巡りや雑貨屋巡り、水族館巡りなど多種多様ですが、
先日の休日に暇を持て余した結果、「漁港巡り」をすることになりました。
職業柄なのか、休日でも無性に海に行きたくなります。
まず漁港とは「天然又は人工の漁業根拠地となる水域及び陸域並びに施設の総合体」のことを指すようです。
漁港は全国に約3000カ所あり、串本には約20カ所あります。
漁港に興味のある方は少ないかと思いますが、写真とともに串本の漁港を紹介していきます。
1日で町内すべての漁港を巡るのは難しかったので、今回は潮岬の浪ノ浦の漁港を境に東側の海域の漁港に絞りました(紀伊大島を除く)。また古座港は写真撮影を忘れていたので、次回のブログで紹介することにします。
①田原漁港…エビ網漁(イセエビ)が盛んに行われており、ケンケン漁なども行われている漁港です。最近話題のロケットの発射場は漁港横の山中にあります。
※ケンケン漁とは、長い竿に疑似餌を取り付けて船で引っ張り、カツオやマグロ類などを漁獲する漁です。
②津荷漁港…エビ網漁や素潜り漁などが行われている漁港です。
③動鳴気(どめき)漁港…ケンケン漁やエビ網漁などが行われている漁港です。
④伊串漁港…ケンケン漁などが行われている漁港です。
⑤橋杭漁港…ケンケン漁などが行われている漁港です。漁港隣には奇岩「橋杭岩」があります。
⑥串本漁港…串本町最大の漁港です。串本で漁獲された水産物は串本漁港に集められ、セリにかけられます。ケンケン漁をはじめ、棒受網漁、巻き網漁、定置網漁などが行われています。また遊漁船も多く、連日多くの釣り人が利用している漁港です。
⑦出雲漁港…ケンケン漁やエビ網漁などが行われている漁港です。漁港横にある朝貴神社は映画「溺れるナイフ」のロケ地にもなっています。
⑧浪ノ浦漁港…本州最南端の漁港です。ケンケン漁やエビ網漁、素潜り漁などが行われています。私のメインフィールドであり、夜な夜な採集でお世話になっています。
漁港の写真を改めて見ると風情があり、今風に言うとエモい?場所です。
近年、漁業者の高齢化に伴い全国的に就業者が減少しているようですが、
広大な海域を有する串本では地域文化の活性化のためにも漁業は重要な産業の一つです。
少し話はずれましたが、天気の良い日は漁港でボーっと海を眺めるのも良いかも知れません。
次回のブログでは紀伊大島の漁港と古座漁港を紹介したいと思います。
最後に、ブログを書くにあたり各漁港で質問をさせていただいた漁師さん達に御礼申し上げます。
※現在トピックス水槽では「鬼」を集めた節分水槽の展示を行っています。
中には本物の鬼ぐらい怖い生き物(=毒が刺さると怖いほど痛い)もいますが、どの種も特徴的な姿形をしており面白い生き物ばかりです。
串本にお越しの際は、是非ご来館ください~
by Big West
第402回 君はいったい誰センボン?
ハリセンボンの仲間は日本周辺海域から7種類が記録されています。
そのうち串本周辺海域からは、5種類が記録されています。
8月某日、当館に実習で訪れていた実習生が1個体のハリセンボン幼魚を漁港で採集してきてくれました。
当初、担当飼育員は普通のハリセンボンだと思い水槽で飼育をしていました。
そして先日ふと水槽内を覗き込むと、体の色彩やその模様が普段みているハリセンボンとは違うことに気付きました。
もしやネズミフグでは.……???
ハリセンボンの仲間はハリセンボンを除き、稚魚や幼魚の記録はとても少ないです。
串本にもネズミフグの成魚は普通に生息していますが、これまで本種の幼魚はみたことがありません。
今後、立派なネズミフグに成長していくのが楽しみです!!
by Big West
第401回 ニセゴイシウツボの産卵前行動
当館で観察されたニセゴイシウツボGymnothorax isingteenaの産卵前行動に関する論文が出版されました!!
ニセゴイシウツボはウツボ科魚類の中では大型種で、多くの水族館で飼育展示されています。
その一方で、これまで生態的な知見はほとんど得られておらず、特に産卵については謎に包まれていました。
ウツボ類の産卵については近年少しずつ明らかになってきており、例えばウツボG. kidakoではペアを形成することや、オスがメスの顎を咥えて急浮上して放精、放卵する行動が観察されています(Oomori et al.,2024)
当館では数年前からニセゴイシウツボの産卵行動と思われる行動が確認されており、2023年にそれらの撮影を試みることにしました。
その結果、これまで確認されていなかった本種のペアの形成や、オスがメスの顎を咥えて水面へ浮上する行動などの撮影に成功しました。
今回の観察では受精には至らなかったものの、上記のとおり本種の生態に関する新たな知見を得ることができました。
今後は受精の成功を祈りつつ、さらに詳細な観察を行っていきたいです。
【論文詳細】
タイトル:水槽内で観察されたニセゴイシウツボの産卵前行動
著者:大西 遼・佐久間夢実(串本海中公園センター)
論文は鹿児島県自然環境保全協会が発行する「Nature of Kagoshima」のHP内で公開されています。
下記URLより論文のPDFがダウンロードできます。
https://journal.kagoshima-nature.org/051-022/
写真はペアを形成しているニセゴイシウツボです(左:オス、右:メス)。
by big west
第395回 ウツボの赤ちゃん展示中
現在、長い生き物水槽で「ウツボ亜科の一種の仔魚」を展示しています!!
ウツボの仲間を含むウナギ目魚類の仔魚は、体は透明で柳の葉のような形態をしており、海中を浮遊しながら生活しています。
専門的にはこの段階の仔魚を、葉形仔魚やレプトケパルス幼生などと呼ばれています(魚類屋の間では、「レプト」と略称されています)。
ちなみにレプトケパルスとは、ラテン語で「小さな頭」という意味であり、その名のとおり体に対して頭が著しく小さいのが特徴です。
またウナギ目の仔魚は体が極めて大きくなるのも特徴で、中には全長40cm以上にもなる種がいます。
近年では、水産有用種であるニホンウナギがフィリピンのマリアナ沖で産卵し、レプトケパルス幼生が黒潮に乗って、
日本まで浮遊してくる事が明らかになりました。
しかし、ウナギと同じくレプトケパルス幼生を経るウツボやウミヘビの仲間の初期生活史については、まだまだ謎だらけです。
展示中のレプトケパルス幼生は形態からウツボ亜科であることは分かりましたが、詳細な種は不明です。
飼育を開始して9日目ですが、体に少しずつ変化が見られます。
採集直後と比較すると顔つきや体の体高に変化が見られるのがわかります。
果たして何ウツボになるのか…成長が楽しみです!!
by Big West