
スタッフブログ【さびうらびより】2025年05月一覧
串本の様子や様々な串本の生き物たちを、
スタッフが交代でご紹介します。
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第413回 ミナシのミナリのハナシ
タガヤサンミナシという貝をご存じでしょうか。
タガヤサンミナシはイモガイという貝の仲間で
串本周辺で普通に見られる貝の一種です。
イモガイの仲間は毒を持っていることでも有名で
このタガヤサンミナシも当然のように毒を持っています。
ちょっと覚えにくいこの和名は
特徴的な貝殻の模様に由来しております。
東南アジア原産のタガヤサン(漢字で書くと『鉄刀木』)という
木目の美しい木があります。
その木目の模様が美しいタガヤサン(樹木)と
タガヤサンミナシの美しい貝殻の模様をかけているという寸法ですな。
ちなみに「ミナシ」部分に関しましては
イモガイの仲間は殻に引っ込むと中身がないように見えるので
「身無し貝」ってとこに由来しております。
さて
現在、当館では4匹のタガヤサンミナシを飼育展示中なのですが
上の写真をよく見て見て下さい。
美しいタガヤサンミナシの隣に
何やらピンク色の塊が。
全く色も雰囲気も違う物体。
実はこちらもタガヤサンミナシなのです。
よく見たら右下から出ている水管の色が一緒でしょ。
なんで同じ種類の貝なのに
こんなに色が違うのか。
そもそも
このタガヤサンミナシは当館ではかなり長く飼育できる貝なのです。
餌は主に生きた他の巻き貝を捕まえて食べるのですが
当館前の磯で採ってきた貝を気前よく食べてくれます。
なので定期的に貝を採って与えるだけで
長期の飼育が可能なのです。
ちょいと手間がかかるので当館の飼育記録を調べた訳ではありませんが
私の記憶が確かならば長い個体で3年以上は飼育してるのではないでしょうか。
そんなこんなで長いこと飼っていると
貝殻の表面に色々なものがくっついてしまいます。
というわけで
このピンク色のタガヤサンミナシの正体。
それは長く飼っているため殻の上に石灰藻と呼ばれる
被覆性の海藻が生えてしまったタガヤサンミナシなのです。
その証拠に
ほら
海藻の生えていない裏側は
ちゃんと貝殻のタガヤサン模様が見えてるでしょ。
ちなみに
冒頭に出てきたキレイなタガヤサンミナシは
先日、地先の磯で他の職員が採集してきた新入り。
なので貝殻がキレイなのです。
タガヤサンミナシは美しい模様が特徴なので
表面を海藻が覆ってしまうと
最大の特徴が隠れてしまいます。
実際にタガヤサンミナシを知っている人からしたら
うちのタガヤサンミナシは思ってたんとちゃうっつー話です。
なので定期的に石灰藻を剥がして
キレイな貝殻を露出させようとするのですが
この石灰藻がまた剥がしづらいのなんの。
金属のヘラで削らなきゃ剥がせない上に
やり過ぎると貝殻が傷ついてしまいます。
さらに手で持って慎重にしっかり削りたいところですが
毒を持っているので刺されないよう気をつけなきゃいけません。
それなら石灰藻がついてすぐの剥がしやすい時期に
削りとるというのを繰り返せばいいのですが
私の性格的な話でそれもすぐにやらなくなってしまいます。
そんなこんなで1年も経つと
立派なタガヤサンミナシ(ピンクver.)になってしまうのです。
今回、入った新入り君は
何とかこの美しい模様を維持したいと思っています。
定期的に殻を磨いて
美しいタガヤサンミナシを皆様にお見せしたい所存で御座います。
もし来年、再来年あたりに来館された際に
ピンク色のタガヤサンミナシしかいなかった時は
「あいつやらなかったな」と思って下さい。
by ハムいち@守りたい、その模様
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