海と水族館を丸ごと楽しめる複合施設串本海中公園

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第419回 小さい秋

忙しい8月が終わったと、
ホッとしていたら
気がつけば9月も3分の1が終わっていることに
驚きをかくせない、くろすけ♀です。
光陰矢の如し、どころか、音速の如し、です。

ということで、小さい秋を見つけに
出かけたのですが、
気温は30度超え
空には、立派な入道雲

diary419_1.jpg
小さい秋どころか、立派な夏ですよ
本当に年々、夏が長くなっています。

特に今年は、7月から夏がフル回転
7月の串本の平均気温は、過去112年間で
最も高い!ですからね

去年も猛暑だったし、今年も猛暑で
海の中のサンゴは大丈夫か!?
と心配していたのですが

海の中は8月に入って急に冷たい潮が
入るようになって、白化しかけていた
サンゴもちょっと戻ったみたい

diary419_2.jpg

diary419_3.jpg

私は別にサンゴの声が聞こえる
不思議な人ではないけれど
それでも35年間毎日サンゴを見ていると
調子悪そうとか、調子良さそう、とか
わかるわけで
それは、植物でも動物でも
何でも育てていると誰でも
わかることだと思うけど

毎日見ているサンゴが調子良さそうだと
ホッとします


海中展望塔の窓から海中を除くと
今日は魚影が濃かった!

diary419_4.jpg
こちらをガン見するグレたち

涼しくなってきたからか
魚の数も種類も増えたような気がします。

diary419_5.jpg

ということは
これが秋の気配ということか!

串本の海の中
絶賛「秋」進行中
秋は一年で一番海の中が賑やかな季節
皆さまもぜひ、見に来て下さい!


by くろすけ♀
 

第418回 ようちえん

お初にお目にかかります。4月に入社しました"チャン"と申します。
入社から早4ヶ月が経ちますが、未だ半人前で先輩方に助けて頂くことばかりです。
 
さて、今回はカイメンを展示している水槽のお話をしたいと思います。
カイメンには体の表面に無数に孔があり、そこから水中を漂っている有機物や水を取り入れて、大きな孔から水を外に排出する"濾過摂食"という方法で餌を食べています。
IMG_7439.jpg
↑展示水槽のカイメン。
 
当館では過去に餌としてアミエビをミキサーで細かくしたジュースを使っていたのですが、カイメンが溶けるように死んでしまったり、水槽内のクモヒトデが増えすぎてしまったり、、、
と大変だったようで、暫くは直接餌を与えず、海水中に含まれる有機物に頼っていました。
 
そんなあるとき、ふと他の水槽に目をやると
なんとどこも立派なカイメンが育っているではありませんか。
 
種類の違いはあるけれど、カイメンの水槽では上手く育たないのに何故、、、と見ていると、どの水槽も魚を飼育している水槽であることに気づきました。
思えばカイメンの水槽に魚はおらず、もしかしたら魚も居たほうがよく育つのでは?と思い魚を迎えることにしました。
 
現在この水槽で過ごしている魚は5種類。みんな幼魚です。
 
スジイシモチ↓
IMG_7429.jpg
ツバメコノシロ↓
IMG_7444.jpg
カノコベラ↓
IMG_7441.jpg
オニベラ↓
IMG_7451.jpg
ブチススキベラ↓
IMG_7458.jpg
 
ベラは幼魚と成魚で見た目が大きく変わるものも多く、皆様にも段々と姿が変わる様子を見ていただけたらと思います。が。
 
あくまでも主役はカイメン達なのでそこをお忘れなく。
 
それでは今回はこの辺で。ごめんあそばせ~

第417回 ウミガメの産卵手伝い

串本海中公園のウミガメ人工産卵場では、そろそろ産卵期が終わりそうです。

毎日日付が変わるころまで残って産卵観察をしていましたが、ようやく解放されそうです。

今年の産卵観察では、久しぶりにちょっと変わった作業を行ったのでご紹介します。

 

ウミガメの産卵行動は7つの区分に分けられ、1.上陸、2.ボディーピット、3.穴掘り、4.産卵、

5.穴埋め、6.カモフラージュ、7.帰海となります。

この順序は基本的にどのウミガメでも同様ですが、各行動の時間や巧拙は個体によって様々で、

さっさと穴を掘って産卵する個体もいれば、いつまでもうろうろして中々産卵しない個体もいたり、

穴を掘るのも上手い下手があります。

ここで問題なのは、穴を掘るのが下手な個体です。

穴掘りを何度も失敗しているとその内産卵を諦めてしまうので、

最終手段として私が穴掘りを手伝います。

穴掘りを始めた個体に後ろからそっと近付き、四つん這いになってスタンバイします。

ウミガメは左右の後肢を使って交互に穴掘りをするので、左右を入れ替えるタイミングで

素早く手で砂を一掻きするのを繰り返します。

卵を産み始める前のウミガメは刺激を受けると産卵をやめてしまう可能性があるので、

ウミガメに触れないように素早く慎重に穴を掘ります。

ウミガメは自分で穴を掘っていると思っているかもしれませんが、

場合によっては大半を私が掘っていたりします。

この作業を15分から30分ほど延々と繰り返し、その結果卵を産んでくれたりくれなかったりします。

2025.7共同作業で掘った穴で産卵するアカウミガメ(7月19日).jpg

↑これがウミガメとの共同作業の結果産卵した卵です。

私一人で観察と作業をしているので、

穴掘り中のウミガメの真後ろで這いつくばって息をひそめる飼育員の様子をご紹介できず残念です。

 

中々きつい作業ですが、成功した暁にはウミガメが産卵し始める瞬間を観察することが出来、

これは担当者である私だけの特権です。

 

by とーる

第416回 アオリイカの成長

皆さんこんにちは!

 

今年の梅雨はあっという間に過ぎていきましたね。

天気が良い休みの日にはたまに釣りをして過ごすのですが、

先日、一緒に釣りをしていた人がなんとカエルアンコウを釣り上げました!!!

それも餌で釣ったわけでは無く、たまたま背ビレに針が引っ掛かったようでした!

カエルアンコウって釣れるんですねー、初めて見ました。

そんな釣り上げられたカエルアンコウは現在展示中です。是非探してみてくださいね!!

 

さて、そんなカエルアンコウが展示されている水槽の隣にはアオリイカの稚イカを展示しています!

この稚イカはトピックス水槽に展示していた卵から孵化した個体です。

P6018821.JPGのサムネール画像

↑孵化直後の稚イカ

 

全長1㎝程度で孵化した稚イカはすくすくと成長して1年後には胴長40㎝程度まで大きくなります。

大きくなるためにはその分たくさんの餌を必要とします。

孵化直後の稚イカはとても小さく食べられる餌も小さいため、

目の前の海から小型のプランクトンを採集してきて与えています。

主に与えているのはアミ類で、少し潜れば大量に採集できるため稚イカ育成には欠かせない存在です。

P7069706.JPG

↑アミ類

 

スーッと獲物に近づいて触腕を使って一瞬で獲物を捕らえる姿が有名なイカの捕食シーンですが、

実は初めから餌をとらえるのが上手なわけではありません。

孵化後まもなくして餌を捕食するようになると積極的に餌を捕まえに行くシーンを目撃できます。

しかし、初めはめちゃくちゃ下手くそです。逃げられてしまったり、勢いが付きすぎて壁に引っ付いてしまったり、

そもそも触腕は使わずに全身で突撃します。それでも何度も何度も繰り返していくうちに少しずつ上達していき、

数日後にはヒョイヒョイと涼しい顔をして捕獲する姿を見せてくれます。

「失敗は成功のもと」まさにそんな姿を見せてくれます。

P7069715.JPG

↑展示中の稚アオリイカ

 

そうやって餌を捕獲するのが上手になったイカは現在、生まれたときから約3倍ほどの大きさに成長しています。

最近では小さなイソスジエビも上手に捕獲できるようになりました。

これからもすくすくと大きくなるアオリイカを見守っていきたいと思います。

 

byまつ

第415回 今年初観測のサンゴの産卵

まだ6月ですが、すっかり気温は夏になってきました。

海の温度も24度ほどになり、タイドプールには南方系の幼魚達が出はじめました。

わくわくが止まらないさく太郎です。

 

さて、時間は少し遡り、6月21日に水族館前の海では通称枝サンゴと呼ばれる「スギノキミドリイシ」が産卵しました!

すぎ1.jpg

 

一部の範囲が産卵することもあれば、辺り一面のサンゴが産卵する一斉産卵の時もあります。

今回も一斉産卵に立ち会うことができました!

すぎ2.jpg

集団恐怖症の方は鳥肌物ですね・・・

このピンク色の粒がバンドルと呼ばれる卵の元です!この1粒の中には精子と卵が入っています。雌雄同体ということです。

不思議なことにこの中では受精せず、粒が割れて中身が放出された際に、他の群のサンゴから放出された精子や卵と受精します。

この中には油滴(ゆてき)がはいっているため、バンドルは水中に放出されるとゆっくりと水面へと上がっていきます。

水面で浮かんでいる間に波などの衝撃で割れて受精する仕組みです。

なので、産卵というよりは正確には放精放卵と呼んだりもしますが、打つと長いので産卵とします。

 

上の画像はまだ抱卵状態で、産卵直前です。大体20:30頃の様子です。

この時点で陸からも「あ、今日産卵するな。」と確証が得られます。

なぜなら、独特のサンゴ臭がするからです。生臭いような、磯臭いような・・・恐らく粘液の匂いだと思うのですが。

産卵が確認された次の日なんかも臭うので、一つの指標としています。

 

その約1時間後21:30ごろに産卵が開始されました。(一時間水中で待っていました。)

 

 

ゆっくりと水面に上がっていくバンドルを見ていると、時間が止まっているような感覚になります。

 

どアップでも頑張って撮影してみました。

最初の10秒ほどはカメラの位置を固定しようと格闘していますので、どうかご勘弁を。

ぽろっと卵が出てくる姿をみると、改めてサンゴって動物なんだなあと実感します。

 

産卵はサンゴの一年に一度の大仕事です。

産卵時期の予測は難しく、その時のサンゴの体調や水温、海域状況などで大きく変わり、地域によっても少し違うようです。

ダイビングショップなどの利用で一般の方も見ることは可能ですが、生き物の事ですので見ることができるかは最終的には運です。

 

ですが、興味のある方やサンゴを飼育している方々には是非とも見てもらいたい光景です。

来年も元気にサンゴが産卵することを願っています。

 

by さく太郎

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