海と水族館を丸ごと楽しめる複合施設串本海中公園

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第379回 寒いですが・・・

皆さんこんにちは!!

 

だんだんと寒くなってきましたね。

つい先日までは暑い暑いと思っていたのですが・・・

あぁ~もうすぐクリスマス。それが過ぎると・・・

あっという間に時は過ぎますね・・・

 

さて、寒くなってくると潜水作業が憂鬱になってくるのですが、

そんな中でも個人的に楽しみなのが「ウミウシ」です!!

時期によってみられる種類が異なり、年中何かしらは見つけられるのですが、

冬頃から春先によく見かける気がします。

今回は先日見かけたウミウシを紹介します。

PB270744.JPG

こちらはゾウゲイロウミウシです。

PB270779.JPG

こちらはおそらくタテスジイボウミウシです。

 

どうですか?めっちゃ可愛いですよね!?

こう見えてウミウシは貝の仲間なんですよ!!

等水族館でも展示したいのですが長期での飼育がなかなか難しく、

今はバックヤードで研究中です。

そう遠くないうちにお披露目できるように頑張ります!!

 

         byまつ

第378回 目線の先には

寒くなって参りました。

 

水族館の前の海の水温は大体23°、暖かいと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、

1時間潜っていると体が凍え始めます。さらに30分ほど経過すると私の場合足先の神経が

麻痺してきます。長いと2時間ほど潜っていることもありますが、そこまで来るともう色々とやばくなってきます。

何が、とは言えませんけども・・・

 

つまりもうそんな季節ですねーという話です。さく太郎ですっ

 

 

寒くなる季節ではありますが、そんな季節の好きなところがありまして。

汗だくになって作業しなくていいことと、水中の透明度が高くなること、そしてキビナゴがたくさんの群れを成してやってくることです。

 

展望塔からの様子です。

23.mure1.jpg

 

銀色に輝く無数のキビナゴは、毎回見とれてしまうほど美しいです。

大規模な群れを作るときは展望塔の周りを囲うようにして泳いでいることもあり、

40個ある展望塔の窓のほぼ半数の窓から同時に見えることもあります!

 

キビナゴがやって来ると、このキビナゴを狙う捕食者(魚)もやってくるのです。

 

23.mure5.jpg

 

カマスです。これは恐らくタイワンカマスです。

夏頃は小さな個体が多く、体長20~30cmほどでしたが、秋から冬場になると

40~50cmほどに成長しています。

窓近くまで来るとかなり迫力があります!

 

23.mure4.jpg

 

アオリイカなんかもやってきます。

 

キビナゴ狙いではありませんが、群れを成す魚は他にも現れました

 

 

10~15cmほどの小魚の群れです。

よく見ると上層と下層で魚の種類が違います。

23.mure3.jpg

 

赤い丸がミナミハタンポ、青い丸がクロホシイシモチです!

科も種類も違いますが、同じような場所に住む同じくらいの大きさの魚同士で

大きな群れを作って身を守っているのですね~

 

この時期は特に展望塔周りが賑やかになります。

しかし自然の海なので、もちろんその時によって見える魚は異なります。必ず見える確証はありませんが、その時の運次第では海の中が大盛り上がりな時もありますので!(笑)

お立ち寄りの際はぜひじっくりと観察してみて下さい。

 

そうそう、本日11/11は1がぞろ目で並ぶ日です。

当館では「ヘコアユ」の特設水槽が設置されています!

23.mure6.jpg

 

ヘコアユも群れで生活する魚です。縦泳ぎをして見事に「 1 」を表現してくれています!よね?!

11月いっぱいまでなので、見かけた際はぜひぞろ目での写真チャレンジをしてみて下さいね!

 

by さく太郎

第377回 紫外線で蛍光する魚

先日興味深いニュースを見ました。

ニュースの内容は、西オーストラリア博物館の学芸員であるケニー・トラブイヨン博士が、

博物館で所蔵している哺乳類の剥製に紫外線ライトを当て、蛍光するかを調べたという研究についてです。

ケニー博士は過去にアメリカの研究者が発見した、カモノハシ(オーストラリア固有の哺乳類)が紫外線で蛍光するという研究に興味を持ち、他の哺乳類で調べてみたとのこと。

 

研究の結果、多くの哺乳類で蛍光することが分かったそうです。

蛍光することで、同種間での識別などに役立っている可能性があると考えられていますが、詳細はまだ分からないとのこと。

 

生物の蛍光についてはこれまでにいくつかの報告がありますが、実はその多くが海洋生物です。

 

 

そんなこんなで、閉館後の水族館で蛍光する魚がいるのかを調べてみることにしました。

紫外線ライトはネットショッピングで900円で購入した安価なものです。

 

結果‥‥

蛍光する魚はいましたが、体の一部分(例えば棘など)しか光らないため写真に納めるのが難しく、

ほとんど写真は撮れていません‥‥

 

ちなみに当館で蛍光する魚は、イトフエフキ、ハナミノカサゴ、キリンミノ、オニカサゴ、サツマカサゴ、ヒダウツボなど。

詳しく調べればもう少しいるかと思います。

 

で!!実は!!!!

今回蛍光を確認した魚の中で、突出して蛍光する種がいました!!!!

この種だけ、きれいに写真が撮れたのでご紹介させてください!

 

 

 

ヒダウツボ!!!!!!!!!!!!!

1 (2).jpg

1 (1).jpg

かなり蛍光しています!!!!すごい!!!!!!

 

通常時は茶色っぽい少し地味な体色をしていますが、まさかこんな裏の顔があったとは。。。。

にしても蛍光しすぎです!!!

 

 

ウナギ目魚類の生物蛍光について少し調べてみると、

2015年にアメリカの研究者がイワアナゴとイワアナゴ属の一種が蛍光するという報告をしていました。

他にも、新江ノ島水族館のブログ内でアミキカイウツボが蛍光する様子が紹介されていました。

前者は繁殖期にお互いを見つける為、後者は紫外線から体を守る為ではないかとのこと。

 

いずれにしてもヒダウツボが蛍光する理由は分からないが、

繁殖や紫外線から体を守る為に利用されていると考えると、大変興味深いです。

 

今後も、閉館後の水族館で紫外線ライト片手に魚類の蛍光について探っていきたいとおもいます。

 

by BigWest

第376回 ヤドカリ生えるv..v

最近の私のお気に入りの水槽がコチラ。

 

376-1.jpg

まぁそうですよね。

何もいないように見えますよね。

 

コチラの水槽をよく見ていただくと

 

376-2.jpg

1㎝ほどのごく小さなヤドカリが入ってます。

コチラはテナガツノヤドカリという種類の小型のヤドカリで

干潟などに生息しています。

 

先日、同じ干潟に生息するコメツキガニを展示したのですが

その際にこの子たちが砂に混じって入ってきたところ

あまりにも可愛かったので常設展示となりました。

 

最初に載せた水槽の写真。

実はこの中には20個体近くのテナガツノヤドカリが入っています。

ではなぜ水槽が空っぽに見えるのか。

 

そう

 

376-3.jpg

 

わりと普段は砂に潜りっぱなしなのです。

目と触角だけ外に出し、後は全く見えません。

でもこの潜っているときの姿がとてもキュート。

こちらの動画をご覧下さい。

 

 

羽毛状になっている触角を

潜りながらずっとふりふりしています。

どうやら水中の小型プランクトンや有機物を

これで集めて食べているようです。

この動きが何となくツボにハマってしまい

展示することにしました。

 

ふりふりふりふりフニクリフニクラ

くせになるわー。

来館した際は是非ともこの水槽に張り付いて

じーっと観察してみて下さい。

 

by ハムいち

第375回 最強の胃袋?

今年の残暑は厳しかったですね。

でもようやく、朝晩は涼しくなってきました。

昨夜は、半袖半ズボンで、布団をかぶらずに寝ていたら

寒くて目が覚めました。

くろすけ♀です。

 

皆さん、イラモってご存じですか?

ここ串本では、モエラって呼んだりします。

diary375_1.jpg

イラモは写真のように、一見海藻かなにかに見えたりしますが

実はクラゲの仲間で、触ると刺されます。

私も、何度も刺されたことがありますが、

刺されると痛くて、水ぶくれになって、かゆくなって

かくと水ぶれが破れて二次感染して、ウミが出て・・・

と、なかなかやっかいな生きものなのです。

 

海中展望塔の窓の周りにもたくさん生えてて

潜って窓掃除するときは、軍手をはめて

なるべく刺激しないように、掃除するのですが

なぜか後からかゆくなります。

 

私の場合は、そこまでひどくならないけど

人によっては、刺された部分が腫れ上がり、

熱が出て病院へ行く人もいるので、

皆さんも気をつけてください。

 

さて、そんな強い毒を持つイラモですが

そのイラモに乗っかっているヒトデをたまに見かけます。

diary375_3.jpg

diary375_2.jpg

ミナミジュズベリヒトデです。

diary375_4.jpg

大きさは5cmくらいの、そんなに大きくないヒトデ。

最初見たときは、たまたまイラモの上に乗ったのかな

と思っていたのですが、何度も見るので

そのヒトデをひっくり返してみたら、なんと!

胃袋を出していました!!

 

ヒトデは、体の裏側の真ん中にある口から

胃袋を出してエサを食べるのですが

このヒトデはイラモを食べているようです!

 

イラモはサンゴと同じ刺胞動物の仲間で

オニヒトデはサンゴを食べるで有名ですが

サンゴの毒なんて、イラモの毒に比べたら

たいした毒ではありません。

 

人間の硬い皮膚を炎症させるほどの毒を持つ

イラモの上に被さって、やわらかい胃袋を出すなんて!

((((;゜Д゜)))))))

 

どんな胃袋をしているのか。

よほど強い消化液を持っているのか。

とても興味があります。

今度、水槽で観察してみたいと思います。

 

すぐお腹を壊す私から見ると

強靱な胃袋を持つミナミジュズベリヒトデが

うらやましく感じる今日この頃でした。

 

by くろすけ♀

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