スタッフブログ【さびうらびより】STAFF BLOG
串本の様子や様々な串本の生き物たちを、
スタッフが交代でご紹介します。
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第369回 梅雨に咲く
雨は降っていませんが、湿度が高い串本です。
南西の風で、波も出てきました。
ダイビングの船が出ていますが、かなり揺れています。
海の中よりも船の上で待っている方が大変そうです。
ダイビングといえば、今日は、高気圧業務健康診断を受けてきました。
私たち飼育員は、海に潜って採集したり、調査をしたりするので、半年に1回それ専用の健康診断を受けます。
私もこの仕事について30年以上になるので、60回以上この健康診断を受けているのですね。
聴力検査の時、最近は、音が鳴っているのか鳴っていないのか、それが耳鳴りなのか何なのか、よく分からなくなってきました(笑)
でも、肺機能は-7歳でした(笑)
特に問題ないとの結果で、一安心。
定年までは、何とか潜りたいですからね。
明日は大雨で海も荒れそうということで、海岸の植物の写真を撮ってきました。
梅雨の時期は、人間にとってはあまり良い気分にはならないですが、植物はこの時期元気になるような気がします。
庭の草の伸び方がすごいです。
3日前に刈ったイネ科の草が今日見たら15㎝位伸びてました。
だからか、植物もいろいろきれいに咲いてました。
ホタルブクロ
ホタルブクロの横に「海中公園誕生の地」の石碑があります。
ハマゴウ
葉は、ハーブのような香りがします。
種は、昔、枕のそば殻に混ぜて使ったとか。防虫の効果があるらしい。
ハマユウ(浜木綿)
万葉集には熊野地方のハマユウを詠んだ歌が収められています。
「み熊野の浦の浜木綿百重(ももへ)なす心は思へど直(ただ)に逢(あ)はぬかも」
柿本人麻呂
水族館の戻ってきたので、水族館の生きものたちも紹介します。
相変わらず海藻の上で寝るモンガラカワハギ
この時期お腹が膨れるキハッソク
変わった色のハナウミシダ?
やさしい目をしたワモンダコ
串本海中公園、梅雨でも楽しめます。
by くろすけ♀
第368回 ウミガメ人工産卵場ライブ配信始めました
今年もウミガメ産卵の季節となりました。
すでに5月24日、5月28日、6月4日と3回アカウミガメが産卵しています。
そして今年は新たな試みとして、夜間人工産卵場の様子をYouTubeでライブ配信して見ようと思い、
すでに何度か配信しています。
ウミガメの産卵の様子は動画や写真でこれまでにもお伝えしてきましたが、
リアルタイムで観察するのは非常に大変です。
そこで、
「実際にまさに今ウミガメが産卵している」
ということを少しでも実感してもらえるように人工産卵場の監視カメラをライブ配信することにしました。
配信はYouTubeの「串本海中公園飼育」チャンネル(https://www.youtube.com/@speciosa1106)でやってます。
配信日時は今のところ不定期で週3回ほど、配信時間は19:30くらいから24:00ごろまでです。
配信する日は夕方までにツイッターやインスタ等で告知しますが、
しない日でも産みそうであれば急遽配信する予定です。
こんな感じで、2か所の人工産卵場を固定の監視カメラで撮影しライブ配信しています。
ちなみに位置関係はこんな感じ↓です。
固定カメラなのでウミガメのアップや産んだ卵を見るとこはほぼできませんが、
生のウミガメの上陸や産卵を感じてもらえればと思います。
とはいえ、配信中の大部分は砂場がただ映っているだけです。
産卵を見れたら結構ラッキーですので、
毎夜ひたすら待ち続ける私の気持ちが少しでも伝わったら幸いです。
では、実際産卵はどのくらいの頻度で行われ、どのくらいの確率で見られるのか調べてみましょう。
当然ですがこれから出る数字は当館の人工産卵場での場合です。
2022年の産卵回数は13回、そのうち配信時間内である24:00ごろまでに産卵したのが5回
2021年の産卵回数は21回、配信時間内は11回
2020年は産卵回数は16回、配信時間内は10回
という感じなので、
大体10回弱くらいは配信時間内で産卵する期待が持てそうです。
産卵期間は6月から7月末までの約2か月間(60日)とすると、
週1回は配信時間内に産卵する見込みですね。
配信頻度は週の半分ほどなので、配信6~7回に一度は産卵が見られる計算でしょうか。
実際には私が産卵の可能性を考慮して配信の判断をするので、
確率はもっと上がって5回に一度くらいには産卵を見られる。
と、いいなあと思ってます。
産卵を見るのはやはり中々根気と運が必要なのですが、
上陸だけであれば可能性はもっと高いです。
上陸回数だけであれば産卵回数の数倍になりますので
1回の配信中に1度くらいは上陸を見られると思います。
by とーる
第367回 ウミシダ沼
はじめまして! 4月に入社しました まつ と申します。
入社してから2ヶ月が経ちますがまだまだ半人前にもなれておらず
皆さんに助けて頂きながら日々精進しています。
さて、今回は入社してからの2ヶ月間で心引かれた生き物を紹介したいと思います。
それがコチラ!!
ウミシダです!!
見た目が植物のシダに似ていることからこの名前が付いたと考えられますが
ウニやヒトデ、ナマコ、クモヒトデなどと同じ棘皮動物に分類される動物です。
海を潜ってみると岩陰からシダのような腕が出ていたり、
潮の流れに揺られているのを良く目にします。
実は種類もたくさんいて先ほどの写真はオオウミシダという種類です。
しかし、この種類を同定するのが難しい・・・
同じ種類でも全く違う色の個体もたくさんいます・・
この黄色い個体とオレンジの個体も同じオオウミシダです。
現在は少しずつウミシダのことを勉強しておりますが初めて目にする言葉も多く
なかなかに苦戦をしております。
しかし!知れば知るほど不思議で奥が深く、気付けばウミシダ沼につかっていました(;゜ロ゜)
みなさんにも少しでも魅力を伝えられるように日々精進して参ります!!
byまつ
第366回 5月病・・・?
5月です。イネ科花粉症持ちの私は全身が痒いです。とくに腕が。
誰も聞いとらんわ。さく太郎です。(スンッ)
朝の日差しがまだ入らないくらい早い時間、館内を見回っていると
!!!!!!!!!!!!!!!!!
え!?横たわっている!コバンザメが沈んでいるぅー!!
これは・・・もしかするともしかしてしまったのか・・・?(動揺が隠しきれない)
と、朝からビックリしましたが、ご安心ください。
ちゃんともしかしていませんでした。あ、生きていました。
ご覧の通り、開館時間になるとエイの上をいそいそと徘徊していました。
仕事のオンオフがはっきりしているのね。エライエライ(?)
それとも5月病で、仕事前の憂鬱タイムだったのでしょうか?
どちらにせよ、飼育員をビックリさせないで頂きたいです。元気でよかった。
5月と言えば、5/13からは新しいトピックス
その名も「串本海中いちご狩り」が開始しました!
いちごの季節と言うことで、イチゴっぽい魚を展示しています。
今回はレイアウトに力を入れました。
よく見るとイチゴパックが沈んでいます。もちろんレプリカですが!
生き物採集より作る方に時間がかかった気がします。笑
是非いちごちゃんたちを見に来てくださいね~
※生物の状態によっては、展示内容を変更する場合があります。
予めご了承下さい。
by さく太郎
第365回 いちごいちえ
春ですね。
巷ではイチゴが旬を迎えております。
そんなわけで
今回はイチゴみたいな可愛らしい生き物を紹介します。
その名もテンロクケボリガイ。
テンロクケボリガイはウミウサギ科に属する1㎝ほどの小さな貝の仲間で
この辺ではオオトゲトサカやアカトゲトサカなどにくっついて暮らしています。
まるで見た目がイチゴみたいなこの貝ですが
この赤い模様は貝が殻を覆うために出した外套膜(がいとうまく)のもので
実際の貝殻はこの写真のような色をしています。
まぁ一見すると海中では目立つような色彩ですが
前述の通り、トゲトサカ類に付着して暮らすと
この色彩が保護色となって目立たなくなります。
現在、共生・寄生のコーナーで展示しております。
非常に見つけづらく水族館の生き物としてはどうかとは思いますが
個人的にはとても好きな貝の一種です。
来館した際には是非とも探して見てください。
by ハムいち@私も入社して15(いちご)年