海と水族館を丸ごと楽しめる複合施設串本海中公園

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第389回 月光に輝く「ゲッコウスズメダイ」

昨日珍しい魚を寄贈いただきました!!!!

 

その名もゲッコウスズメダイ!!!!!

 

多くのスズメダイ科魚類は、沿岸の浅い海域に生息していますが、

なんとこのゲッコウスズメダイは水深120mから採集されました。

深海魚(水深200m以深に生息する魚)とまではいきませんが、深場に生息する珍しいスズメダイです。

このような深場の魚は、水圧の関係で状態よく活かしたまま採集するのが非常に困難です。

今回、採集し寄贈いただいた串本町在住のOさんに感謝いたします。

P4251077.JPG

P4251067.JPG

ゲッコウスズメダイについて少しご紹介いたします。

本種は従来、同じく深場に生息するトウカイスズメダイ(体側に1本の褐色縦帯がある)の一種とされていましたが、

2019年に新種として記載された比較的新しい種です。

現在のところ、日本国内では相模湾から琉球列島にかけての黒潮流域で確認されています。

和名のゲッコウは、鱗の輝きが「月光」を思わせることからその名が付けられました。

上述のとおり、活かして採集するのが困難なため水族館での展示例は少なく、

沖縄美ら海水族館、高知県立足摺海洋館に次いで国内3館目?の展示になりそうです。

 

ゲッコウスズメダイは、本日4月26日からトピックス水槽で展示を開始しています。

生きた姿は中々お目にかかれない珍しい魚なので、お越しの際はじっくり観察してみてください。

※長期飼育は難しいと考えられるため、予告なく展示を終了する場合がございます。予めご了承ください。画像1.jpg

 

by Big West

第388回 あなたが噛んだ水槽が痛い

館内の「小さな海の忍者たち」と題したコーナーでは

共生や寄生などの関係を持った生物を展示しておりまして

その中にガンガゼとガンガゼカクレエビを紹介した水槽があります。

 

388-1.jpg

中には有名な有毒のウニであるガンガゼと

388-2.jpg

全長1㎝ほどで棘に擬態して暮らすガンガゼカクレエビ。

この二種の関係は『偏利共生』とされており

住処や餌場を与えてもらうガンガゼカクレエビ

かたや特になんの利益もないというガンガゼの共生を紹介しています。

 

だいぶ前からこの水槽で大きな問題が起こっております。

それが

388-3.jpg

水槽の前面に細かい傷が入りまくり問題です。

こちらの水槽はアクリル樹脂で作られた水槽なのですが

表面に傷をつけるやつがいるんですよ。

それがガンガゼです。

 

当ブログの第363回でも紹介しておりますが

ウニの仲間は歯を持っており

それを使って自分の餌となる物を囓りとって食べます。

 

388-4.jpg

ちなみにこちらがガンガゼの歯です。

この歯を使ってアクリルガラスの表面に傷を付けてしまうのです。

 

傷が入ってしまったアクリルガラスは

直すのがそれはそれは大変。

今となっては

ガンガゼ専用水槽としてこの水槽は使っておりますが

傷が付いた水槽は見た目が少しぼやけてしまうのと

隙間に汚れが付きやすかったりと二重苦。

そこに掃除をしようとすると毒棘をぶん回すガンガゼが入っているので

三重苦水槽になっております。

 

でもこの水槽に入っているガンガゼカクレエビは

非常に面白い生き物ですので

見えづらいかとは思いますがよくよく目をこらして

覗いていただきたいものです。

 

はー困ったねという

話でしたとさ。

ははっ。

 

by ハムいち@歯は大事

第387回 だって魚だもの

昨夜の春の嵐の影響で
大シケの串本海中公園です

diary387_1.jpg

春休みでせっかく串本に来ていただいたのに
天気のせいで串本の印象が悪くなってしまわないか
心配している くろすけ です

でも、天気が悪くても
当園の水族館は、通常通り営業していますので
みなさん 遊びに来てくださいね

さて、今日も朝の日課、水槽の見回りをしていると
何やら妙な行動をしている魚に目が行きました

魚というと、みんな同じように泳ぎまわっている
ように思われるかもしれませんが
種によって、あるいは個体によって
個性みたいなものがあります

まずはこちらの画像をご覧ください

1匹のニセカンランハギが何やらサンゴの上で
横たわっています

diary387_2.jpg
水槽の中には他にもニセカンランハギがいますが
サンゴの上で横になっているのは1匹だけ

何をしているのかじっと見ていると
体をサンゴの上で動かしています

ニセカンランハギが乗っているサンゴは
オオスリバチサンゴといいます
スリバチのような形をしているので
この名がありますが
このサンゴをよく見ると
表面にイソギンチャクのようなものが
並んでいます
diary387_4.jpg
これはポリプと呼ばれます

このニセカンランハギはどうも
このポリプの上をふぁさ~となでるように
体を動かしています

ポリプがやわらかいので
気持ちがいいのでしょうか
まるで人がやわらかいものの上で
ほおずりしたくなるように

やわらかいポリプといえば
同じ水槽に、ナガレハナサンゴ
というサンゴが入っています
diary387_3.jpg
オオスリバチサンゴよりも長い触手の
ポリプが出ていますが
こちらで同じことをしているのを
見たことはありません

ニセカンランが体を乗せている
オオスリバチサンゴの骨格が
ちょうどお皿みたいな形になっているので
それが体にフィットしてよいのでしょうか?

以前にもブログで紹介しましたが
ニセカンランは、エアレーションでも
遊び?ます(こちら
あの時と同じ子(魚)なのかは分かりませんが…
同じ子だったらかなりおもしろい

人間くさい行動をする魚を見ると
魚だって日々いろいろ考えて過ごしているのかも
と、考えさせられる今日この頃です


by くろすけ♀

第386回 ウミガメの交尾の季節となりました

ウミガメの産卵は紀南では6~7月ごろなのでまだ先ですが、

そろそろ産卵の前段階である交尾の季節になってきました。

 

ウミガメの産卵や孵化・脱出は陸上で行われるため比較的観察し易いですが、

交尾は広い海の中で行われるため観察できることは非常に稀です。

その点水族館では、その様子をじっくり観察することが可能です。

DSC_2101.JPG   DSC_2106.JPG

先日早速アカウミガメが交尾していました。

この時は小一時間ほどの交尾でしたが、長いときは数日にわたって交尾を続けます。

交尾中、雄は雌にしがみついていて動けませんのでとっても大変です。

餌は食べられませんし、呼吸も雌のタイミングでしかできません。

 

交尾期は5月ごろまで続きますので、来館された際は是非交尾中のウミガメがいないか探してみてください。

 

by とーる

第385回 アオイガイの展示

皆さんこんにちは!!

 

ここ数日は少し温かすぎませんか?

ウィンタースポーツを楽しむ身としては2月いっぱいは寒くあって欲しいのですが・・・

とは言え温かい方がすごしやすく好きだったり・・・

 

さて、昨日連絡をいただき漁港までとある生き物の搬入に行きました。

それがこちら↓

P2153720.JPG

アオイガイです!!

名前に貝と付きますがタコの仲間です!

タコなのに貝殻を持っている変わった種なのです!!

しかし、貝殻を持っているのはメスだけで、オスは普通のタコのような見た目をしています。

さらに、オスは体が小さく滅多に見かけません。

一方で、メスは体が大きく目立つのでぷかぷか浮いているところをしばしば発見されます。

普段は外洋にいますが風が強い日などに港に流れ着いたりもします。

P2163730.JPG

こちらは今朝の写真です。

よくよく見てもらうと貝殻が少し異なる見た目をしています。

アオイガイの第1腕は膜状になっており、貝殻を覆うことができるようになっています。

このようにして覆いながら貝殻を作る成分を分泌し、自分で貝殻を作っていきます!

P2163737.JPG

最後の写真はお食事!!

昨日搬入して翌日ですがさっそくご飯を食べてくれました!!

食べているのはオキアミです。

1枚目2枚目の写真でひょっとこのように出ている部分は口では無く、

イカやタコにある漏斗と言われる部分です。

口は他のタコと同様に足の中心にあります。

 

こんなにもユニークでかわいいアオイガイですが、

飼育は難しく急遽展示を終了することもありますのでご了承下さい。

 

byまつ

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