スタッフブログ【さびうらびより】スタッフ:ブログ更新一覧
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第364回 魚卵と稚仔魚
先日、水族館の調査船でプランクトンネットを使用したサンプリングを行いました。
狙いは、魚類の卵や稚仔魚!!!
しかし、肝心の稚魚ネット(例えば丸稚ネットなど)は持っていないので、
マイクロプラントン用のネットで10分間の水平曳きにより、採集を試みました。
曳網状況は下記の写真です。
鉛直曳き用のロープを使ったので、ロープが切れるかと思いました。危ない…
さっそく採集した試料を水族館に持ち帰りソーティングを…
大量に採れたノクチルカの山を掻き分け、蠢くカイアシ類とヤムシ類、
その先に念願の、魚卵と仔魚の姿が!!
思っていたよりもたくさん採れたので、心の中でガッツポーズ。
しかし、多くの魚卵が球形で形態的特徴が乏しいことから、形態分類による
魚卵の同定(種を明らかにすること)は、かなり難しいです。
そのため、今回採集された魚卵のほとんどが見た目からは種類の分からない「不明卵」と呼ばれる卵です。
※不明卵を同定するには、孵化実験により同定可能なサイズまで育てる方法や、
近年では、遺伝子(DNA)解析により調べられています。
ここで、魚卵の分類や同定についての話をすると、かなり長話になるので別の機会にしたいと思います。
今回採集した魚卵と仔魚のうち、私にも同定可能なものが少しいたので以下に紹介します。
①スズキ属の一種?
卵および油球(卵の中にある半透明の球)の大きさや時期、黒色素胞の分布様式から、
おそらく本属になると思います。
②カタクチイワシ
多くの魚卵は球形ですが、本種は楕円形卵なのが特徴です。
本州沿岸域の魚卵調査では、優占して出現する卵です。
③エソ科の一種
写真からは、分かりにくいですが卵膜の表面に亀甲模様と呼ばれる特殊構造があります。
④ハゼ科の一種
全長2mmほどですが、樹枝状の黒色素胞が背面および腹面にあり、
写真からは分かりにくいですが、浮袋がはっきり見えるのが本科の特徴です。
⑤不明孵化仔魚
種類は分かりませんが、孵化直後の仔魚です。
硬骨魚類の多くが、孵化直後このようなオタマジャクシみたいな見た目をしています。
今後も機会があればプランクトンネットで魚卵・稚仔魚の採集をし、色々と紹介したいですが
夜間の集魚灯採集で採った魚のサンプルがかなり溜まってきたので、そっちの同定を終わらせないと…
by BigWest
第363回 ウニの歯
皆さん、突然ですがウニの歯って見たことがありますか?
こちらはシラヒゲウニというウニの歯です。
5枚歯です。
ウニは、カルシウムでできた硬い歯を持っていて、岩の上に生えた海藻はもちろん
種によっては硬いサンゴや岩などもかじって穴を開けてしまいます。
水族館では、ガラスをかじってキズがつくこともあります。
ウニの口の中には、「アリストテレスのランタン」という名前がついた器官があって、
この器官を使って食べ物やら何やらをかみくだいているのです。
こちらが「アリストテレスのランタン」。下側の先端に歯がついています。
ちなみに、「アリストテレスのランタン」という変わった名前は、ギリシアの哲学者でもあり、
科学者でもあったアリストテレスが、これを見てランタン(ちょうちん)に似ていると言ったことから、付いたとか。
ウニの歯の構造は複雑で、人工的な材料ではまねできず、まだ解明できていないことも多いのだそう。
材料工学や歯科学など、ウニの歯の研究は注目されているそうです。
岩をも砕く歯を人工的に再現できれば、いろんな分野に応用できるかもしれませんね。
最強な入れ歯ができそうです・・・
水族館でガラスにへばりついているウニを見つけたら、その自慢の歯をじっくりと観察してあげてください。
最後にちょっと動くシラヒゲウニの歯
by くろすけ♀
第362回 漂着物
先日、当館から見える海岸の一角で何やらカラスが集まっている場所がありました。
海岸でカラスが集っているとなると、まあ大体予想がつきます。
高確率で何らかの大きな「生もの」が打ちあがっている、かつ死んでいる、です。
この辺りでしたら、それはほぼほぼウミガメです。
となると、行って調査しなければいけません。
ただこういう情報が入ったときは、若干、ほんのすこーしだけ憂鬱になります。
やっぱり臭いは強烈ですし、重いですし、人通りが多い浜であれば放置するわけにもいかないので大変なのです。
とはいえ、こういったウミガメ漂着情報の収集も大事なので必ず調査します。
と思って近づいてみると、意外にも今回はウミガメではありませんでした。
※若干閲覧注意
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全長は約210㎝
正直最初はなんだかさっぱりわかりませんでした。
よくよく見てみると、どうやらイルカのようです。
かなり腐敗が進んでいたため、下顎、胸びれ、尾びれ等は無くなっていました。
胸びれや尾びれが無いとなかなかイルカと認識できませんでした。
尾部↓
頭部↓
ウミガメの漂着はよくありますが、イルカの漂着はこの辺りでは珍しいです。
海獣類はさっぱりなので種類がよくわかりませんが、おそらくミナミバンドウイルカではないかとのことでした。
by とーる
第361回 海の中の季節
温かくなったと思いきや、再び寒くなったり、日中暑かったのに夜は足の先がひえひえになるほど寒かったり。。
いっそ早く、ふんわりと温かい春が訪れて欲しいこの頃。
ちなみに花粉症持ちですが、春が一番好きです。どうもさく太郎です。
過ごしやすい気候が待ち遠しいですが、この時期ならではの光景もあります。
寒い時期になると水中のプランクトンの数が少なくなり、海の透視度(この場合は水面と並行にどのくらい先まで見えるか)がとても良くなることがあります。
写真では上手く伝わりにくいですが、この日は約30m先まで見えるほど透き通っていました!
堤防(水面から5mほどの高さ)から見るとこんな風に見えます。
クシハダミドリイシ(テーブルサンゴ)たちがよく見えます!よーくみてみると魚が泳いでいる様子も見えます。
こんな日は、寒いと分かっていても潜って写真と撮りたくなります。水温はまだ16~17度代ですから、
ドライスーツ(着衣したまま、中の服が濡れないスーツ)でも顔などがキンキンに冷えて極寒です。
しかし当館の展望塔からみれば、寒さを感じること無く、ゆっくりと水中を観察できます!
ペアなのか、仲良しなのか、2匹一緒に見かけることが多いツノダシ。
見かけると、今日も仲良しだな、と安心します。
個人的には、この画角から写真を撮るのも好きで、携帯の方では窓全体を写して撮ったりしています。
魚が来たりするとなかなかいい絵になります。
是非色々な楽しみ方で、生き物や串本の海とふれあってください。
おまけ
指の爪サイズの、ちぃちゃなシラヒゲウニ。カモフラージュの葉っぱを乗せていました。
一生懸命生きるんだぞ!!
by さく太郎
第360回 錆浦より
黒潮の大蛇行が始まってからもうすぐ5年になろうとしています。
2017年夏、黒潮の大蛇行が発生したというニュースを見ていた時には想像していませんでしたが、その冬に発生した記録的な低水温現象は錆浦の海に深い爪痕を残すものとなりました。
浅場のイシサンゴ類は凍死したものや感染症に罹患したものがあふれ、
海底には凍死したウニやナマコの死骸が転がり、
水面を見上げると凍死した魚類が浮いていました。
海中では穴の中で凍死したワモンダコや瀕死のクマノミなどが散見され、自分の今いる場所が本当に錆浦なのかを疑いたくなるような光景は今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。
この低水温現象をもたらしたのは黒潮の蛇行、冬の大潮干潮、そして列島を襲った記録的な大寒波でした。
それから4年後、幸いにも安定した水温に恵まれて見違えるように美しく回復した錆浦の海を以前もこちらのブログでご紹介しました。
しかし、
本年1月24日―25日にかけて、今度は過去最強クラスの大寒波が同じく列島を襲いました。
ここ串本にも雪が積もり、25日の朝には私が串本に来てからの8年間で見たこともない白銀の光景が広がりました。
当日は大潮後の中潮でまずまず潮が引くうえ、最干潮が午前2時頃ということで再びイシサンゴ類に大きな被害が出たのではないかと心配していましたが、
幸いにも大きな被害はなかったようです。
全体の5%ほど低水温により凍死した群体が散見されましたが、
これは例年に比べてやや多い程度であり、顕著な白化もなく、どうやらサンゴ群落のほとんどは今回の大寒波を乗り越えてくれたようです。
海中公園2号地区には相変わらず、息をのむような美しい水中景観が広がっていました。
一度は壊滅的な被害を受けたスギノキミドリイシも順調な回復をみせています!
環境は変動的であるため、生物の組成や今ある景観が同じであり続けるということはとても難しいことです。ここ錆浦の海も、これからさらに長い時間をかけ、良くも悪くもその海中景観を変化させていくことでしょう。
ただ、錆浦を信愛する一人のファンとしては、
この多様性あふれる豊かな海が少しでも長く、変わらない美しさであり続けることを祈っています!
これからも素敵な錆浦でありますよーに!!
おしまい。
by. ひらりん