スタッフブログ【さびうらびより】スタッフ:さく太郎一覧
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第318回 春の訪れ、生き物の変化
最近朝が辛い。目覚ましが鳴る時間+15分寝ないと起きる気にならない。
休みの日はお昼後、暖かな日差しが射すのでこれまた眠くなる。すべて春だからと片づけているさく太郎です。
この間展望塔ではすさまじい物を目にしました。携帯で撮ったため縦長ですが、お許しください。
素早く泳いでいるのはブリ。 周りに群れているのはキビナゴです。
これぞ弱肉強食!見ている私も見入っていました。キビナゴが集まり始めた冬頃、それを捕食しようと、展望塔の辺りにもブリが来ることがあります。運がよければこの光景を見ることが出来るかも?
ブリの拡大写真
おおお~~かっこいい!!まだ体は小さいものの、貫禄があります。
ブリは、春から夏にかけて北上し、オホーツク海へたどり着き、秋から冬にかけて南下し、東シナ海などで産卵するそうです。
このブリたちは、これからオホーツク海へと旅に出るのでしょうか・・・。しばしのお別れです。
春の知らせはこんな所にも・・・
水槽内のクロホシイシモチ。
いつの間にか、水槽内ではお見合いが行われていたようです。ペアになって泳いでいました。
つい先日までは、各々が好きな場所でまったりしていたのに・・・春が訪れたのですね。
もう少し温かくなると、この子達は少し苦労することになるのですが、またそれは追々。
我が家にも春の訪れが・・・
・・・シュレーゲルアオガエルです。(オス同士)
暗くなり始めると、コロコロ鳴きます。結構音のトーンが高く、近くで聞いていると耳がキンキンすることがあるくらいです。
本来は雌の体にしがみつくのですが・・・なぜその体制になったのか。
この時期家の近所の至るところから、コロコロ声が聞こえてきます。なんとも愛おしい。
春は花粉症持ちの私としては辛い季節なのですが、生き物にとって大事な時期です。
眼の痒みと戦いながら、生き物の神秘をしっかり観察したいと思います。
おまけ
私の大好きなヒトデ面白画像シリーズが増えたことを、ここに報告致します。
これはどうみても寝仏。こんなにキレイなフォーム、見たことがない。
しかもよく見てください。
寝仏のような形を取りながらも、小さなヒトデに腕を支えさせているではありませんか!
これは水槽の外側にいる私への、宣戦布告なのか・・・
「この水槽での頂点は、私だ。」
そんな声が聞こえてきそうです・・・。
今年はとんでもない春がやってくる予感がするぞ。
by さく太郎
第313回 新年早々自己分析
みなさま、新年明けましておめでとうございます!!!
今年の初日の出は、雲隠れしてしまいました・・・。まあ、これはこれでキレイだからOK。
ちなみにこちらは初日の入り
何かが降臨していますね。これはこれで・・・もうよしておきましょう。
しかし昨年は大変な年でしたね・・・。生活が一変しました。
今年もどうなることやら・・・。
私もこちらへ来てもうすぐ1年が経とうとしていますが、病気や怪我もなく毎日元気に自転車で通勤しています。
どの時期に関しても、「去年と違うからねぇ・・・」という言葉を耳にしますが、ある意味色々な作業を
ゆったり行えている気はして、じっくりコトコト煮詰まっている気はしています。あくまでも気ですから。
皆様も体調には十分に気をつけて、じっくりコトコト・・・ゆっくり過ごしましょう!
暗いニュースばかりでは気が滅入ってしまいますから、明るい話題をお話ししましょう!
実は私は、今回年越し宿直でした。
宿直室に任天堂switchを持って行き、あるゲームで年越しイベントを行いながらテレビでカウントダウンを見ていました。
しかし、switchが実際の時間とずれており(時間操作した)、テレビのカウントダウンとゲームのカウントダウンが数秒ずれ、
0:00になる瞬間まで二つの画面を交互にみて大忙し。ある意味充実した年越しですかね?(無理矢理すぎたな)
1月1日の展望塔では、アカカマスの群れが現れていました。
うーん、美しい。この群れの中に入って一緒に泳ぎたい。
この時期になると、良く群れているようです。展望塔は時期や時間によって、色々な魚を見ることが出来るので
私はいつみても飽きません。
オハグロベラ
網でふぁしゃっとやったらとれました。
ベラの中では比較的動きがゆっくりで、朝の見回りの時、何となくこちらを見ている気がするので、
オハヨー、とつぶやいています。心の中で。
皆様にも実際にご来館し、見て頂きたいところですが、中々難しいところですね。
いつか楽しく水族館に来れるよう、健康第一にお過ごし下さい!
いつでもご来館おまちしております。
今後とも、串本海中公園センターをどうぞよろしくお願いします。
ところで、わたしはこの文章の中で何回「気がする」「ある意味」、といった言葉を使っているのだろう。
このブログで発覚。私はあんまり考えて生きていないようです。ある意味ポジティブ?それはそれで、いい気がする。
by さく太郎
第308回 私だけ...?
すっかり秋の空になり、涼しくなり、食欲爆発的になり...
いや、お腹空いているのはいつもですね。テヘ
どうも、さく太郎です。
今日は私が個人的に推している魚の「あれ」について話したいと思います。
「あれ」というのはですね、ずばり
目! 魚のおめめ、魚眼です。
魚の目だと「ウオノメ」と読みますが、魚眼は「ぎょがん」と読みます。
じっと観察していると、魚の目は良くきょろきょろ動いているのが分かります。
視野は片眼150~160° 両眼では30°の範囲が見えているそうです。
死角は後方40°~50°と、かなり広範囲のモノが見えるみたいです。
しかし人間の基準に合わせて視力を出すと、バショウカジキで約0.53 クロマグロで約0.28と
視力は良くないみたいですね。ただし、瞬間的な物の識別力は人間より遙かに高いようで、
何だかよく分かりませんが、自然界で生きて行くためには大事な役割をしているのでしょう。
そんな魚眼ですが、普段私たちは水槽越しで生き物を見ているわけですが、生き物たちも私たちを見ていると
思う瞬間が何度もあります。いや、毎日あります!
水族館実習にきた実習生に話しても、「???」と言う顔をされて、悲しかったので、
ぜひともその瞬間を知って頂きたい、見て頂きたい!!(今日は熱が入っている)
まずこちらをご覧下さい。
ある日の展望塔から見えた、アカササノハベラ
どうですか!?これは完全にこちらを気にしていませんか!!
この振り向き加減は完全に「ん?」という声が聞こえます。
ちなみに後ろに移っている大きな魚は、おそらくクエハタと言うお魚です。
手前はヘラヤガラですが、後ろにいますね。。こちらを観察しているようで、ちょっとじわじわきます。
こちらはトンネル水槽のイシガキフグ
なんだかセクシーな目線をくれました。いいねいいね~なんて言って撮っていたら
こっち向いた!!!焦って撮ったので少しぶれましたが、一枚上の写真でもわかるように
こちらの存在に気が付いていると思います。(撮らせてくれたかはまた別ですが)
なかにはカメラを向けると、こんな風に隠れてしまう子も。魚にも以外と表情があるんですよ。
この子からは、「ひょえぇぇ」という声が聞こえてきます。
そして何よりの推しポイントが、
このタマカイを例に挙げると
この部分!!!!角膜の透明の部分!
この画像だと余計にわかりにくくなりましたが、一つ前の画像で確認してみて下さい
私はこの透明の部分が好きで、とても魅力的に思えて、思わずじっと見てしまいます...。
このクロオビマツカサ(たぶん)ならばおわかりいただけるでしょうか。
ガラスのように透明な部分。
どの魚にも共通しているはずなので、是非とも水槽の魚の、新しい見方として
この部分を見つけてみていただきたい。魚と眼を合わせてみて欲しい。
そしてこの感覚になる人が、私だけじゃないことを信じたい...
by さく太郎
第303回 怒濤のモンガラドオシチャレンジ
毎日暑くて溶けてます。さく太郎です。
和歌山県に来てから初めての夏。都会に比べるとだいぶ過ごしやすいですね。
何より風が通るのは大きな違いかもしれません。
だがしかし...暑いもんは暑い!車を持っておらず、自転車で毎日通勤しているのですが、
会社に着く頃&家に着く頃には汗だくです。こいでいる時よりも、止まった時にブワッと...。夏が来たな、と。
さて、今日は少しだけまじめにお話ししたいと思います。いつもふざけてしまうので。
当館には、モンガラドオシと言って、ウナギの仲間が飼育されています。にょろにょろしていて、白地で茶色のブチがある、
愛嬌ある顔立ちです。
ある日、いつものように水槽を見回っていると...
ひええええええ~~~!!すっごいパンパン!破裂しそうになってる...餌あげすぎたのか?!
ちなみに平常時はこちら
分かりづらいかもしれませんが、もう少しシュッとしているんです。(こんな体制の時もあります。ちょっとどきっとする...)
プチパニックになりながら前任者に聞いてみたところ、なんと卵を持っているとのこと!
これは育ててみるしかない!上手く出来るかな~♪と思ったのが始まりでした。ここからが怒濤の期間になったわけです。
この日の夕方5時頃、産卵は起こりました。一瞬の間で私が見つけた頃には既に産卵し終えていました。
卵は浮遊性、つまり水に浮きます。
水面に浮いている白いつぶつぶが卵です。一度に大体2000個~3000個くらい産みます。
黄色い粒は、油球という油の粒で、これにより浮くことが出来ます。
横から見ると、しっかり動物極と植物極が分かれているのが分かりますね。
産卵数が多いというのは、生存率を上げるため。そうつまり、この中で生き残るのはほんの僅かなわけです。
つまり、それだけ飼育が難しかったりします。
さらに言うと、モンガラドオシやウナギの仲間はレプトケファルスといって、透明でにょろにょろした仔魚で生まれてきます。
大体3cmくらいで、この状態でもまだ水面に浮いています。この時期は「プレレプトケファルス」と呼ばれ、成長して
リボン状になると「レプトケファルス」になります。
こーんれがまた、飼育が難しい!!過去にも何度かモンガラドオシは産卵しているようで、仔魚の飼育に挑戦しているものの、
中々上手くいかず...。
同じレプトケファルスになるウナギなんかは、最近完全養殖が成功したくらいです。まだまだ研究段階ですので、簡単に飼育できるとは思っていませんでしたが、とても大変でした。
餌は限られたものしか食べない(であろう)
水質はかなり良くしていないと死んでしまう(であろう)
親と同じような形になるまで2年くらいかかる(んじゃないか)
...といった感じに、モンガラドオシの仔魚のことはほぼ分かっていません。ウナギの養殖法を参考に試し試しで行いました。
今回なんとか仔魚は餌を食べてくれました。
この光景にはかなり癒やされました。なんと言っても、餌は一日最低4回、2時間ごとに水を入れ替える作業があり、
なんだかんだで一日中モンガラドオシのお世話をしていました。これも小さな命のため..。
結局19日間の飼育日数ですべての仔魚が死んでしまいましたが、頻繁に卵を産むようなので又の機会の参考になれば!
と思っていた矢先、2ヶ月後にまた産卵がありました!
今度はほんのちょっとだけ、産卵シーンを見ることが出来ました。
たまたまバックヤードで作業をしていて、バシャバシャと音が聞こえたと思ったらこんな事になっており
あわてて携帯を取り出しました。
よく見ると、メスのお腹が産卵後、ぶよぶよになっています。人間と同じですね。
頑張ったお母ちゃんはすぐさま砂の中へ戻っていき、しばらく出てきませんでした。
5日後くらいからは、ガツガツエサを食べ始めました。タフなお母ちゃんだ。
この卵達も孵化し、プレレプトセファルスになったのですが、今回も上手くいかず...難しいものです。
いつか展示水槽で、小さなモンガラドオシを飼育することが出来たらいいなあ、と思っているので、
また産卵するようならば、飼育に挑戦していきます。
改善に改善を重ねて、少しずつ...。気が遠くなりますが、卵を産んでくれたモンガラ夫婦のためにも頑張ります。
by さく太郎
第298回 とある飼育員の日課
皆さんこんにちは。中途半端に日を浴び、手の甲だけうっすら焼けてコッペパンみたいになっています。
さく太郎です。
一部の地域では、コッペパンというとメロンパンを指す言葉だそうですね。
また西日本の一部では、メロンパンの中には白あんが入っていたり・・・
東日本から来た私は、東と西でこんなにも違うのかと、日々色々なことに驚かされる毎日です。
ちなみに私が言うコッペパンは、給食に出てきた方です。
さて、前置きが長くなりましたが、私の初投稿のブログではオオアカヒトデを載せました。
長い腕をうにょうにょと動かし、不思議な格好になっている姿が面白く、今日はどんな格好をしているのか
チェックするのが日課となってきました。
今回は、たまってきたヒトデの写真を、飼育員の中で「勝手に面白ランキング」をつけました!
ユニークな動き方をするヒトデ達をご覧下さい!
第4位 「使徒」
頭の部分(にあたるところ)が、つるんとしているのがいいですね。後ろにいるハコフグも戸惑っていますね。
某人気アニメに出てくるあのキャラクターのように見えませんか?
第3位 2つあります。 ①「まだ行ける・・・!」
ほぼ落ちかけているのですが、ここから岩に上ろうと必死にあがいていました。
ちょっと横着なヒトデですね。わかるよ、私も同じ。
②「腕組み」
なんだ、見せつけか?髪の毛セットしながら余裕の態度で腕組みしちゃって。(ただの被害妄想)
下の方は綺麗な曲がり方をしていますね。なんだかんだいって個人的にお気に入りです。
第2位 「滑り込みセーフ」
腕がピーーーンと伸びていますね。顔を右に傾けて、伸びた腕を頭に見立てても面白いですが、
良い角度に曲がった膝の部分が、滑り込んできた雰囲気を醸し出しているように見えます。
栄えある第1位は~~!!
ドコドコドコドコドコドコドコd・・・ジャーン
「上から目線」
これは・・・見つけた瞬間吹き出しました。
「なんだね?私に何か用かね?」 とでもいっているのでしょうか。
それとも、「そこの君。このエアーストーン(酸素を水槽内に送る石)の位置、ここじゃないよね?動かしたまえ」
とでもいっているのでしょうか・・・(震え声)
私の勝手な被害妄想ですけどね!
こんな感じに、勝手に妄想するのがとても面白いんです。ヒトデ的には大迷惑でしょうね。
今回は動きがわかりやすいヒトデを選びましたが、他の生き物も面白い動き・可愛い行動など・・・
じっと見ていると見つけることの出来る、新たな発見があります。
海中公園は休館が続いていましたが、6月1日より開館予定です!
お時間がありましたら、ぜひ水族館へお立ち寄り下さい。
そして、生き物の面白い姿を見つけてみて下さい。
きっとやみつきになることでしょう・・・
by さく太郎