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- 「串本町から得られた北限記録のヤツトゲテンジクダイ」論文発表
- 「串本町から得られた北限記録のドクウツボ」の論文発表
- 稀種「ケムシヒトデ」紀伊半島から47年ぶりに再発見!
- [論文掲載]標本に基づく記録としては国内から2例目となるヒトデ2種を発見!
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「串本町から得られたヨミノハゼ稚魚の記録」論文公開について
2023年11月に当水族館トピックス水槽で展示を行いました「ヨミノハゼの稚魚」。
同年9月に採集されたこの個体、当初は種不明なハゼ科稚魚でしたが、
飼育および形態観察を経て「ヨミノハゼ」であることがわかりました。
※現在、当水族館での生体展示や標本の展示は行っておりません。
【論文概要】
ヨミノハゼ Austrolethops wardiは、インド・太平洋域に広く分布し、日本国内では和歌山県および沖縄県からのみ記録されています。
和歌山県からは、1980 年に当館元館長の御前 洋氏により海岸に漂着した個体が採集され、当館の機関紙マリンパビリオンにて未同定種 (種不明) として報告されました。その後、吉郷ほか(2004) は沖縄県沖縄島から得られたヨミノハゼを日本初記録として報告し、明仁ほか(2013) は 1980 年に採集された和歌山県産の標本を再同定した結果、本種であったと報告しています。本種は主にサンゴ礁域の潮間帯に生息しており、夜間に活動する遊泳性のハゼの仲間です。また、ヤハズアナエビの巣穴に共生することが知られています。このような生態のためか、国内における本種の記録は少なく、詳細な分布や生息状況についてはほとんど分かっていません。
2023 年 9 月 22 日に、串本海中公園センター前で種不明のハゼ科稚魚が採集されました。
その後の飼育および形態観察の結果、このハゼ科稚魚はヨミノハゼであることが分かりました。本種は和歌山県串本町から記録がありますが、漂着した個体のみで、国内では沖縄県以外で生体は確認されていませんでした。また、これまで本種の稚魚期に関しての知見はなかったため、成長に伴う形態の変化等について報告しました。
【論文情報】
論文タイトル:「和歌山県串本町から得られたヨミノハゼ稚魚の記録」
著者:大西 遼(串本海中公園センター )・松永康大(串本海中公園センター) ・平嶋健太郎(和歌山県立自然博物館 )
本論文は、オンラインジャーナル Ichthy、 Natural History of Fishes of Japan で公開されました。
下記の URL からダウンロード可能です。
・Ichthy インターネットサイト
https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/ichthy/articles.html
・J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ichthy/41/0/41_1/_article/-char/ja
大西 遼
「串本町から得られた北限記録のヤツトゲテンジクダイ」論文発表
2023年6月に串本町潮岬で採集された「ヤツトゲテンジクダイ」につきまして、
本種の本州初記録および分布の北限記録として論文を発表いたしました。
※現在、当水族館での生体展示や標本の展示は行っておりません。
【論文概要】
ヤツトゲテンジクダイ Neamia octospina (テンジクダイ科)は、
インドから西太平洋にかけて広く分布し、これまで日本国内からは鹿児島県口永良部島以南から記録されていました。
2023 年 6 月 5 日に串本町潮岬でヤツトゲテンジクダイの稚魚が 1 個体採集されました。
その後、串本町から得られた本標本は本種の本州初記録および分布の北限記録として、
大西・吉田朋弘氏(所属:海洋生物環境研究所)により論文として報告されました。
【論文タイトル】
和歌山県串本町から得られた北限記録のヤツトゲテンジクダイ
【著者】
大西 遼(串本海中公園センター)・吉田朋弘(海洋生物環境研究所)
本論文は、オンラインジャーナル Ichthy で発表いたしました。
下記 URL からダウンロード可能です。
・和歌山県串本町から得られた北限記録のヤツトゲテンジクダイ
https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/ichthy/INHFJ_2024_040_062.pdf
大西 遼
「串本町から得られた北限記録のドクウツボ」の論文発表
この度、館内の「掃除をするエビ水槽」で現在展示中のドクウツボについて、
本種の分布の北限記録および本州からの初記録として論文を発表いたしました。
【論文概要】
ドクウツボ(Gymnothorax javanicus)は、
主にサンゴ礁域の浅所に生息する大型のウツボ科魚類です。
本種はインドから太平洋の熱帯・亜熱帯域にかけて広く分布しており、
国内からは小笠原諸島、薩摩半島、大隅諸島、および琉球列島から記録されていました。
2023 年 11 月 26 日に串本町紀伊大島在住の福島勝司氏 (所属 JF 和歌山東漁業協同組合須江支所)により
ウツボ籠漁にて 1 個体のドクウツボが採集されました。採集後、当館へ寄贈され展示を行いました。
その後、本種のこれまでの分布 (上述)を調べると鹿児島県以北からは記録がないことが分かり、今回串本町で採集された個体を分布の北限記録および本州初記録として大西 ・是枝伶旺氏 (所属 鹿児島大学大学院連合農学研究科)により論文として発表いたしました。
本論文は 「Nature of Kagoshima」という論文雑誌で発表いたしました。
▼下記 URLから制限なくダウンロード可能です。
・Nature of Kagoshima (https://journal.kagoshima-nature.org/050-024/)
大西 遼
稀種「ケムシヒトデ」紀伊半島から47年ぶりに再発見!
▲ 2022年10月に串本町で採集されたケムシヒトデ Chaetaster mooreiの生体画像
この度、紀伊半島から得られた2種のヒトデ類が、標本に基づいた記録としては「国内から2例目」として新産地を報告した論文が学術誌に掲載・公表されました。
【詳細はこちら!⇒https://www.kushimoto.co.jp/news/2022/10/-22.php】
そのうちの1種「ケムシヒトデ」の生体が、
なんとこのタイミングで今年10月3日に串本町で採集され、
今回、当センター水族館にて生体展示を行うことがかないました!
展示する「ケムシヒトデ」は、串本町からは初記録となる個体で、
大阪市立自然史博物館に収蔵されていた1975年採集の標本(すさみ町産)以来、
紀伊半島からは47年ぶりの再発見となります。
ケムシヒトデは、ケムシヒトデ科に属するヒトデの1種で、
小さな盤(ヒトデの中心部分)に、5本の細長い腕をもっています。
その体表は多数の鋭い小棘で覆われ、そのうちのいくつかは明瞭に長いことが特徴です。
国内ではほとんど目にすることのない、とても稀な種「ケムシヒトデ」。
その生態にはまだまだ不明な点が多く残っています。
生体展示を通じて、ケムシヒトデのことを知っていただけましたら嬉しく思います。
※生き物の状態によっては急きょ展示を中止する場合がございます。
展示生物 |
ケムシヒトデ Chaetaster moorei |
展示期間 |
串本海中公園センター水族館内 Aゾーン 2022年10月17日(月)より開始 |
プレスリリース | 2022_串本海中公園_ヒトデ類_プレスリリース資料.pdf |
▼ PHOTO
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当園情報ページhttps://iko-yo.net/facilities/1142
[論文掲載]標本に基づく記録としては国内から2例目となるヒトデ2種を発見!
▲ 画像 ←左「イバラスナヒトデ」 「ケムシヒトデ」右→
この度、紀伊半島から得られた2種のヒトデ類につきまして、標本に基づいた記録としては国内から2例目として新産地を報告した論文が学術誌に掲載公表されました。
また、本年10月には串本町から新たに「ケムシヒトデ」が得られ、
今回、論文の掲載公表に合わせて「ケムシヒトデ」の生体展示を行います。
※イバラスナヒトデの展示は行っておりません。
▼ 経 緯
2019 年 12 月 30 日に展示生物の採集を行っていた当館職員の平林が水深 13.4 mの地点から見慣れ無いヒトデを採集し、ヒトデ類の分類を専門とする国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産資源研究所 主幹研究員の木暮陽一 博士が精査したところ、国内では沖縄県から 1 標本が知られるのみの「イバラスナヒトデ Luidia savignyi」であることが判明しました。また、木暮博士の調査の結果、1975 年にすさみ町で採集され、大阪市立自然史博物館に紀州産未同定種のヒトデ類として収蔵されていた標本の 1 つが国内では小笠原諸島の兄島からのみ記録されている「ケムシヒトデ Chaetaster moorei」であることが判明しました。
これら 2 種のヒトデ類はいずれも暖かい海域に生息する南方系種であり、紀伊半島から初記録であると同時に、標本に基づいた記録としては国内から 2 例目となります。また、今回紀伊半島からこれらの種が得られたことにより、両種とも分布の北限を大幅に更新する結果となりました。
本成果は 2022 年 9 月 20 日出版の Biogeography (日本生物地理学会の発行する国際学術誌) 24 号に掲載されました。
さらに、本年 10 月 3 日には串本町田並沖の水深 18mからケムシヒトデ 1 個体がイセエビ刺し網漁により混獲されました。本標本は串本町から初記録であると同時に、大阪市立自然史博物館に収蔵されていた 1975 年採集の標本(すさみ町産)以来、紀伊半島から 47年ぶりの再発見となります。
串本海中公園では、論文の公表に合わせてケムシヒトデの生体展示も行います。
▼ 2種のヒトデ類について
〇イバラスナヒトデ Luidia savignyi (Audouin, 1826)
スナヒトデ科に属する中型のヒトデの 1 種。長さの異なる 6 本の腕* 1 を持ち、和名に「イバラ」とあるとおり、反口側* 2 の体表に散在する鋭く尖った長く頑強な棘が特徴。
本種はインド洋から西太平洋までの水深 50 m 以浅から記録されており、国内では沖縄県嘉手納町沿岸の水深 10-12 m からわずかに 1 標本が得られているのみでした。
今回串本町から得られた標本は沖縄の標本と外部形態がよく一致しており、両者とも 6本の腕の長さが明らかに異なっていたことなどから、論文中では本種が腕を自切* 3 することによって無性的に個体数を増やす可能性についても示唆されました。
〇ケムシヒトデ Chaetaster moorei (Bell, 1894)
ケムシヒトデ科に属するヒトデの 1 種。盤* 4 は小さく 5 本の細くて長い腕を持つ。和名に「ケムシ」とあるとおり、体表は多数の鋭い小棘で覆われ,そのうちいくつかは明瞭に細く長いことが特徴です。
本種は南シナ海,ニューカレドニア,タスマニア海から記録されており、国内では小笠原諸島の兄島から 1 標本が得られているのみでした。今回、論文中では 1975 年 2 月にすさみ町で採集された個体に基づいて新産地報告がなされましたが、本年 10 月 3 日には串本町田並沖より、紀伊半島から 47 年ぶりの再発見となる個体が採集されました。
▼ 展 望
今回報告された 2 種のヒトデ類はいずれも国内ではほとんど目にすることのないとても稀な種といえます。イバラスナヒトデにつきましては 2019 年以降、串本から新たな個体は採集できていないため現在展示は行っていませんが、幸いにも今回、論文の公表に示し合わせたかのようにケムシヒトデの生体が採集されるというミラクルに恵まれました。
両種ともその生態にはまだまだ不明な点が多いことから、今回の展示を通して、多くの方にケムシヒトデについて知っていただくと同時に、本種の生態の解明にもつなげていきたいと考えています。
▼ 用語解説
腕* 1:ヒトデを「人の手」になぞらえた際の指にあたる部分。
反口側* 2:ヒトデの上側。ヒトデ類は体の下側に口があるため、口とは反対側の上側のことを反口側という。
自切* 3:自ら体の一部を切り離すこと。
盤* 4:ヒトデの中心部分。多くのヒトデではこの盤から腕が放射状に伸びる。
ヒトデを「人の手」になぞらえた際の手の甲にあたる部分。
▼ 論文情報
タイトル:First record of two tropical sea star species from the Kii Peninsula, southern Honshu Island, Japan
著者:Yoichi Kogure* and Isao Hirabayashi *責任著者
雑誌名:Biogeography
公表日:2022 年 9 月 20 日
▼ 問い合わせ先 [(a)= @]
〇ケムシヒトデの展示とイバラスナヒトデ発見の経緯についてのお問い合わせ
串本海中公園センター 水族館 係長
平林 勲
Tel:0735-62-4875
E-mail:hirabayashi(a)kushimoto.co.jp
〇2 種のヒトデ類に関するより詳細な情報や論文に関するお問い合わせ
国立研究開発法人 水産研究・教育機構
水産資源研究所 水産資源研究センター
海洋環境部 暖流第 3 グループ
新潟庁舎 主幹研究員
木暮 陽一
Tel:025-228-0451
E-mail:kogure_yoichi52(a)fra.go.jp
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