海と水族館を丸ごと楽しめる複合施設串本海中公園

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第243回 実は戌年です

皆様、明けましておめでとうございます。

 

243-1.jpg

もう年が明けて10日以上経ってますけどね。

 

 

 

さて、2018年です。

今年は1月1日よりアーケロンプロジェクトと題しました特別展が始まりまして

実物大のアーケロンの木製彫刻が館内にて公開されてます。

詳しくはイベント情報や当館のSNSの方で見て下さい。

わたくし個人の感想としましては

でけー、すげー、かっけーです。

それと宿直時の見回りの時に

暗闇に鎮座するアーケロンの迫力に「おぉっ」てなります。

写真も他のSNS等で見られると思うのでここには載せませんが

これは実際に見に来た方がいいと思います。

是非に!

 

 

ってな感じで賑やかに串本海中公園の2018年が始まりました。

新年早々の寒波で水温も下がりに下がってきております。

果たして今年はどんな年になるのでしょうか。

 

兎にも角にも元気に頑張ります。

 

 

243-2.jpg

 

いぇーい、ピース!ピース!

 

 

 

ハムいち@24歳になります

第242回 アオウミガメの産卵巣穴掘り(雄が)

今年の串本海中公園のウミガメ繁殖は、アオウミガメが数年ぶりに産卵した事もあり大盛況といった感じでした。

そして繁殖期がとうに終わった11月初旬、人工砂浜で珍事件が起きました。

 

人工砂浜では、繁殖期で無くてもたまにウミガメが上陸しています。

当然産卵のためでは無く、日向ぼっこなのか他のカメにちょっかい出されるのを嫌がってなのかは分かりませんが、

昼間でも砂浜でのそのそしてるのがたまにいます。

これは飼育下特有で、自然界では産卵の時以外はまず陸地には上がりません。

 

そして11月初旬のお昼頃

人工砂浜をふと見るとアオウミガメが上陸中→良くある光景

どうやら産卵巣の穴を掘っている→これもたまにある光景。産卵はしないけど掘るだけ掘っていくのがたまにいます

穴を掘ってるのは何故かオス→???

242-1.JPG

しっかりと穴を掘っていますし、オスの特徴である長ーい尻尾もあります

242-2.JPG

海中公園ではオスが上陸する事もたまにありますが、流石にオスが穴を掘るのは初めて見ました。

上に書いたように、ウミガメは自然界では産卵の時以外ほぼ上陸しませんので、オスはほぼ一生海の中にいます。

ですから、オスが産卵巣の穴を掘るなんてのは前代未聞です。

掘ってる様子はこんな感じ↓

ちなみに掘り方、穴の出来は完璧でした。

彼はどうしてしまったんでしょうか

何かに目覚めてしまったのか、でも掘った後一体何を産むつもりだったのか

もしくはイクメン的なやつで、出来るオスをアピールとか?

まあ、確かに君は全然交尾出来てないもんねがんばってよ

242-3.JPG

結局、あらかた掘ったら満足したのか掘りっぱなしで帰って行きました。

242-4.JPG

何をしたかったのかよく分かりませんでしたが、来年の夏は彼に注目です。

 

by とーる

第241回 飼育員のこだわり

前回の更新から1ヶ月以上も空いてしまいました。

申し訳ありません。

くろすけ♀です。

 

11月は、調査と体験に追われて、怒濤のように過ぎてしまい、

気がつけば12月に突入してしまいました。

そしてもう10日も経っている!

 

今日は「串本の海」水槽でサンタさんが潜って水槽掃除してましたけど、

diary241_1.jpg

私は自分の水槽を地味にみがきます。

 

ガンガゼの水槽です。

diary241_2.jpg

水槽掃除は棒の先にアクリル板をつけたもので

diary241_3.jpg

上からガラスをごしごしします。

でも、ガンガゼがガラスにくっついてます。

diary241_4.jpg

無理矢理はがして掃除することもできますが、

そうするとトゲが折れてしまいます(いとも簡単に)。

ガンガゼの最大のアピールポイントは

なんといってもその長~い針のようなトゲ。

この長~いトゲが折れてしまっては

その魅力も半減です!

 

なので、ガンガゼがくっついていない

ガラス面から、トゲを折らないように掃除していきます。

diary241_5.jpg

で、ちょっとずつガンガゼに

掃除してるんで~

ちょっとどけて欲しいな~

と言いつつ、プレッシャーをかけていると

ガンガゼがしゃかしゃかトゲを揺らしながら

移動していってくれます。

diary241_7.jpg

 

これはガンガゼだからできること。

他のウニではこうはうまくいきません。

ガンガゼは他のウニに比べると活動的で

捕まえようとすると逃げるし、

移動スピードも速いのです。

 

こうしてガンガゼを追い立てながら

4面掃除したらできあがり。

ガンガゼのトゲも折れることなく

掃除ができました。

 

いかにトゲを折らないで

掃除するかにこだわってます。

飼育員のこだわり

っていうか私のこだわりでした。

diary241_6.jpg

 

トゲの長~い

立派なガンガゼになってほしい。

 

 

by くろすけ♀

 

ちなみにクロウニは

絶対動いてくれません(T.T)

diary241_8.jpg

第240回 台風の時のお仕事

台風一過の昨日、
木枯らし一号が吹いて、今朝は10度近くまで気温が落ち込んだけど快晴の秋晴れが気持ちいい串本です。

22日、29日と一週間おきに台風が来てなかなか大変でした。
当館では台風が来るたびにしなくてはならないことがイロイロあります。

海中展望塔の橋上げや床のマットを飛ばないようにしばったり、テントを巻き上げたり。コチラ☆
この作業は、まあ、海中展望塔ができたときから半世紀近く続いてきた伝統作業と申しましょうか・・・(笑)

近年はこれにポンプの引き上げという作業も加わって、相当忙しくなっております。
うちの水族館で使用する海水は、目の前の海から直接ポンプで汲み上げているのですが
数年前にメインの取水ポンプが壊れてしまって以来、仮設のポンプで水を賄っているのです。
仮ポンプは投げ込み式の水中ポンプを海底に設置した土台に縛り付けているだけで、
送水用のホースも地上に出ているので、例えしっかり固定しても大波が来れば土台ごと流されてしまいます。

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水中にある仮設のポンプ

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ステラマリス乗り場からホースをつないで水族館に海水を送っています。

そこで、台風が来る度にこの水中ポンプと送水ホース両方を防波堤よりも上に引き上げます。
みんなで力を合わせ長~いホースを運ぶ時は、中国の龍をかつぐお祭りみたいで、ちょっと楽しくなります。
その後重たい水中ポンプを引き上げて、作業は一旦終わりですが、
ここから飼育員としては気の許せない長い時間が始まります。

自然海水の供給が止まるわけですから、そのまま水槽の水を掛け流しにしていては、あっという間に
水族館の水が無くなってしまいます。水槽の水が外へ排出されないよう、水槽の給水を止め、
水族館に貯めた水だけでやりくりしていかなければなりません。
そんなのどこの水族館でも常時やっていることでしょ、と思われるかもしれませんが
そもそも当館は、水槽の水は「掛け流し!」前提で作られた水族館なので、濾過槽のない水槽が多い!
濾過槽がある水槽は新鮮な海水が入らなくても、濾過槽できれいになった水が入ってくるのでしばらくは大丈夫なのですが
それ以外の水槽はキホン、エアレーション(ぶくぶく)だけで生き物を飼わなくてはなりません。
餌やりなども最小限にして、なるべく水を汚さないようにしたり、時には餌を中止したり
生きものたちにも、ストレスがかかっているだろうなあ、と申し訳ない気持ちになります。

だいたい1~2日で台風が通り過ぎて波が静かになったら、今度は再びポンプの設置作業。
実は、撤去作業よりも設置作業の方がたいへん。バラすより組み立てる方がイロイロ手間が掛かるのです。
みんなで再びエイサエイサとホースとポンプを運んで、少々の波では外れないよう固定。
水中班も濁りとうねりの残る海の中で作業。

そんなこんなで、ばたばたしてやっと元に戻った~!これで安心して眠れる~と思いきや!
ポンプが止まった~!!といって夜中や早朝に呼び出しを受けることも・・・
ひ~ 

 

台風。もう来ないで・・・
 

 


今回の台風。通過した直後です。沖の方にサーファーの間では有名な伝説の波が映ってます。

 

by くろすけ♀

第239回 白化シミュレーション

 串本の海中景観を再現した「串本の海水槽」には、魚類のみならず串本の海を代表するおよそ30種のサンゴが展示されているが、そのサンゴたちが今夏も深刻な白化現象に見舞われた。どのサンゴも色彩の基になる共生藻類(褐虫藻:かっちゅうそう)が抜けて脱色し、水槽内は白銀の世界と化した。原因は30℃を越える異常高水温状態が続いたことにあるが、要因としては野外の記録的な高水温と設備の問題とが挙げられる。前者の要因は過去最大規模のエルニーニョに端を発した世界的な高水温現象に関連したもので、昨年は世界中で深刻なサンゴ被害をもたらしたが、今年もまだその余波が残っていた。幸いにも、串本の野外に関しては、今年もサンゴ被害は微々たるものであった。

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白銀の世界と化した串本の海水槽

 

 次に後者の要因は、当水族館には一部の小型水槽を除いて水温を下げる設備がないことである。しかも、沖合から埋設パイプを通して取水していた設備が故障したため、近年は港内から陸上を這わせたホースを通して取水するようになり、夏場は外気の影響を受けて水槽水温が自然水温に比べて1℃以上も上がってしまっていた。

 さて、夏場のピークから2ヶ月が経過し、水温も25℃を切るようになった。純白状態となった水槽内のサンゴの一部は高水温を耐えしのぎゆっくりとした回復を示してきてはいるが、海中景観の主成因となるサンゴ(ミドリイシ類)は全て死滅してしまった。ミドリイシ類の大打撃は2年続けてであり、残念ながら、設備の改善なくしてはもはや当水槽でのミドリイシ類の飼育、そして串本の海中景観の再現は困難となった。

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白化に耐えたショウガサンゴ

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高水温に強いスリバチサンゴ類

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死滅したスギノキミドリイシ(その下部は昨年死んだエンタクミドリイシ)

 

 そもそも、当水族館が水温冷却設備を持たなかったのは、建設当時の約50年前は水温が近年のように上がることはなく、そのような設備は不要であったからである。ところが、今や当時想像もつかなかった水温上昇(年平均水温で1℃)が起きている。もし、地球温暖化によってこのまま水温の上昇が続けば、現在の「串本の海水槽」の姿が、将来の「串本の海」の姿となるかもしれない。このシミュレーションが現実にならないことを祈るばかりだ。

by クチヒゲノムラガニ

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