スタッフブログ【さびうらびより】スタッフ:Go一覧
串本の様子や様々な串本の生き物たちを、
スタッフが交代でご紹介します。
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第152回 ショックな出来事!
7月8日いつものように出勤し、自分の担当水槽であるトンネル水槽を覗くと・・・
一瞬目を疑い、思わず二度見してしまった。
そこには一際大きな銀色の魚が底に横たわっていた。
ク、クロマグロ様
元気だったあの頃
体長148㎝、体重76㎏、胴回り116㎝
2007年12月5日にトンネル水槽に加わり、4年半もの間生き続け
最長飼育記録を更新中であり
長くに渡りトンネル水槽の目玉であり、ボスであった。
ご冥福をお祈りします。
そもそも水槽でのクロマグロ飼育は非常に難しいと言われています。
その理由にクロマグロは泳ぎを止めてしまうと呼吸できなくなり死に至ります。
寝るときも、代謝を下げる程度で常に泳ぎ続けています。
食べた餌はすぐさまエネルギーに換えるため極めて大食いです。
体の割に非常に臆病で音や光に驚き、高速で壁に激突して死に至ります。
したがってクロマグロ飼育には角や障害物の無い大型の丸形水槽で
しかも、水流が作れ、餌の競争種になりうる生物が少なく、防音設備の整った水槽が好ましいとされています。
当館はというと長方形で角があり、擬岩やトンネルなどの障害物が見られ、水流も作れず、混泳種が多く、防音設備も整っていない。好ましい水槽とは真逆な水槽であります。
バックヤードから見たトンネル水槽
にもかかわらず何故ここまで長期飼育ができたのか。
それは当個体が購入する前の段階で厳選され状態の良い畜養個体だったこと
搬入時期が低水温期であり、搬入方法を改善したことにより早く餌付き、搬入時のダメージの回復も早く、環境にも良く順応したこと
台風による停電や、雷の音に耐えたこと
要するにタフな個体だったことは間違いないです。
今回の死亡原因は雷の音に驚いて壁に衝突死したのではないかと推測されますが、今まで幾度となく死の危機を乗り越えてきたのに今回あまりにもあっさりとした最期だったので何が起こるかわからないというか、謎が深まる一方で改めてクロマグロ飼育の難しさを痛感させられました。
小型クロマグロたち
ちなみに当該水槽では2011年12月27日に加わった小型クロマグロが残っていますが
ボスがいなくなってからイキイキと泳ぐようになり、餌もバクバク食べています。
早く一匹でも多くボスに追いついてダイナミックな遊泳を見せてくれることを願っています。
by Go
第144回 擬岩!
皆さんは水族館の飼育員の仕事といえば何を思い浮かべますか?
餌やり、水槽掃除、水替えといった展示水槽の維持管理。
展示生物の採集、搬入、調査。
保護活動、教育活動、研究活動。
など様々ありますがそんな仕事の一つに擬岩制作があります。
・・・いやウソです。一般的には業者に依頼したり、購入するところがほとんどだと思いますが・・・
当館では「無いものは作る」という精神が息づいておりますので?(笑)、作っています。
こんな感じから
こんな感じになって
こんな感じにできあがります。
そして先日、当館トンネル水槽では2作目となる擬岩が投入されました。
擬岩をクレーンでトンネル水槽に運び入れ、スタッフが4人がかりでポイントまで移動させました。
ジャジャーン! 設置完了です。
結構大変です。
しばらくすると早速気になったのかアカウミガメがのぞきに来てました。
今では死に水を作らないように開けた穴がいろんな生き物の寝床になってます(笑)
こんな風に水族館の裏側ではいろいろなものが作られています。
生物はもちろんその他にもいろんなところに目を向けてみるとスタッフの工夫をこらした仕掛けや、おもしろい造形物など意外な発見があるかもしれません。
皆さんもいろんな楽しみ方で水族館を満喫してみてください。
by Go
第137回 クロマグロ様
当水族館のトンネル水槽のボス、クロマグロ様が最近、食欲ないんです。
クロマグロ様
原因として考えられるのは...
一ヶ月前くらいに小さいクロマグロをトンネル水槽に入れた際、競争に負けた→大きさから負ける可能性は低い。
小マグロ
音や光に敏感なため何らかのショックで驚愕行動を起こした→普通は10日程で餌を食うようになるが20日くらい食べてない。
原因がいまいちわからないんです。
解決策の一つとして活餌を入れて刺激を与え、捕食を促す作戦に出ました。
行ってます。通ってます。ほぼ毎日。
アジ釣り採集
串本漁港にて
寒いです
でもマグロ様のため頑張ってます。
アジは多く生かして持ち帰るためにオキアミを餌に一匹一匹釣る方法をとり、なるべく素早く、傷つけないように一匹一匹針を外し、生け簀に入れ、こまめに水を換え、エアレーションを施しています。
釣れたアジ
多い日は50匹程採集できます
後日、試しに50匹アジをトンネル水槽に入れてみました。
トンネル水槽に入れたアジ
がクロマグロ様無反応...
攻撃的なロウニンアジでさえ無反応...
ロウニンアジ
これはもしやアジの群れを作ることが可能ではないかと思うようになり、当初のマグロの活き餌用から展示用のアジを釣ることに変わってきています。
最近は目指せ1000匹を目標に仕事終わりに夕方アジを釣る日々を送っております。
その甲斐あって最近、アジが何らかの刺激になったのか?クロマグロ様がアジの切り身を少しづつ食べてくれるようになりました。一安心です。
by Go
第130回 最近ふと思ったこと
ブログの順番が回ってきました。
早いもので入社してから8ヶ月が経ちました。
最近は毎日の仕事の中にやらなくてはいけないこと、やるべきことがはっきりしてきて責任やプレッシャーを感じます。
最近ふと思ったのは入社して間もない自分が客観的に見て他の水族館にはなくて串本海中公園にはある魅力って何だろう?
間違いなく言えるのは串本の海は世界から見ても特別珍しい環境ということです。串本の海は本州で一番黒潮の影響を受けるところで、サンゴをはじめとする熱帯種が沖縄と遜色ないくらい豊富に見られ、ラムサール条約にも登録されています。一方で数キロ東に行くだけで日本本来の温帯の海が広がっている。串本の海は温帯、亜熱帯が絶妙のバランスで同居しているんです。
串本海中公園の目の前の海
暖かい海の代表クマノミ
潮岬をはさんで東側の海。海藻が多い。
温帯の海を代表するメバル
串本海中公園はそんな串本の海で実際に生息している生き物のみを展示し、串本の海を紹介している施設なんです。
実は海中公園の目の前が串本を代表するサンゴの群生地になっているんです。水族館はそこからの海水を直接汲み入れて使っているので水槽内はより自然の環境に近いんです。また、都会の水族館での生きたサンゴの飼育は非常に難しいのですが海中公園はきれいな水と創意工夫のおかげで生きたサンゴの展示をしています。また、ウミガメの人工繁殖にも力をいれています。さらに、水槽にはプランクトンなど小さい生き物なんかが勝手に入ってくるので底の方をじっと見ていても飽きないで楽しめるんですね。マニアな方はたまらないと思います。
水槽の中でうごめくニホンウミケムシ
ヨコエビの仲間
また、串本はダイビングでも有名です。実は串本海中公園は水族館だけでなくダイビングサービスや、宿泊施設もある複合施設なんです。初めてダイビングしてみたいという方には体験ダイビングというプログラムもありますし、磯遊びもできる。夏にはシュノーケリングもできる。お腹が空いたらレストランもあって、実際に海の中を観察できる半潜水型観光船ステラマリスや、展望塔もあります。実は一日中遊べる体験型のテーマパークだったりするんですよ。
串本海中公園マップ
体験ダイビング
ステラマリス船内
海中展望塔
このように串本海中公園には都会の水族館にはない魅力がいっぱいあるんです。是非とも皆さんには串本の海で遊んで、知って、好きになって、また来たいと思って欲しい。むしろ、そう誰もが思ってもらえるような施設にもっとしていかないといけないんです。
皆さん串本海中公園を何卒よろしくお願いします。
by GO
第121回 GOです!
皆さんこんにちは。はじめまして。今回が初登場で魚類担当の新米飼育員のGOです。
この度ブログメンバーに加えてもらいました。
これから皆さんにHOTなネタを提供できるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします。
さて、いきなり私事で恐縮ですが、最近やっと自分の担当水槽が決まりました!!
がなんとそれがこの水族館で一番大きく、責任重大なトンネル水槽だったんです!!
しかもこの水槽は僕と誕生年と誕生日がほぼ一緒だったんです!!
なんかちょっと縁を感じてます。
僕が担当になったからには串本海中公園のトンネル水槽を見て、少しでも串本の海を知ってもらって、凄いんだなと思ってもらいたいです。そのためにお客様がトンネル水槽に足を一歩踏み入れただけであっと驚くような、引き込まれるようなそんな水槽に変えていきたいと思っています。
初回なので堅苦しい内容ですが勘弁して下さい。
普段はこんな堅苦しいキャラではないので次回からはよろしくどうぞ!
トンネル水槽バックヤード
僕の仕事場
どうも僕です
by GO