海と水族館を丸ごと楽しめる複合施設串本海中公園

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スタッフブログ【さびうらびより】スタッフ:ナツメリ一覧

串本の様子や様々な串本の生き物たちを、
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第262回 ハゼのかたち

皆さんはハゼといわれてその形を想像できますか?

 

 

ハゼは川、池、海、そして今や街中のペットショップでも見かけるメジャーなお魚

 

一般的なイメージは

体が細長くやや横に扁平で、お腹に吸盤状の鰭を持っていて、

石やガラスにそれで引っ付いていたり、水底でじっとしていたりする姿だと思います。

確かに川などで流されないようにくっ付いている姿が印象的だと思います。

 

近くですと古座川町の「滝の拝」でのボウズハゼの滝登りが有名です、

また海中公園前の磯にも吸盤を持つアゴハゼが見られます。

 

でも実はハゼの形ってそれだけじゃないんです。

上記のように石や地面にくっついて生活しているハゼを底生性ハゼといいますが、

今回紹介したいのは、そうじゃないハゼたち…

 

まずはじめにハゼ水槽に新しく加えたサツキハゼ

satukihaze1.jpg

このハゼは吸盤を持っておらず、いつも水中を跳ねるように泳いでいます。

こうして基本的に水中を浮遊・遊泳をしているハゼを遊泳性ハゼといいます。

 

サツキハゼは河川汽水域やそこに隣接する沿岸やなどに群れて生活しており、

俊敏ですがゆっくり近づけば逃げないのでシュノーケルなどでも観察しやすい生物です。

古い図鑑には日本にしか分布していないと記載されていましたが、

新しいものには韓国済州島や香港でも記録はされているようです。

もしかして海外の水族館ではお目にかかれないのでは?

 

日本では普通種ですが、世界的にみれば日本周辺でしか見られない貴重な生き物です!

 

 

この水槽には他にクロユリハゼ(A)、ゴマハゼ(B)、アカハチハゼ(C)などの遊泳性ハゼが展示されています。

ハゼ 全体図.jpg

サツキハゼ(Aの周りにいる小魚)はクロユリハゼと同じクロユリハゼ科で、本科は吸盤を持たないことが知られています。

 

かなり手前にいて遠近法でサツキハゼと同じくらいに見えますが、

Bのちっちゃいハゼはゴマハゼです汽水域に生息しています。

1.5cmくらいでもう大人、MAXサイズです!

gomahaze2.jpg

gomahaze1.jpg

 

こう見えても日本一小さかった魚だったんです…そう過去形です。

実は沖縄あたりにいるゴマハゼが、本土のゴマハゼと別の扱いになってしまい

そっちの方がちょっとだけ小さかったので、そっちに日本一の座を奪われてしまいました。

それでも本土では一番小さい魚なんです。

 

沖縄にもゴマハゼ類がいる事からも察せれるように、暖かい水域を好む生き物です。

なので黒潮の影響を受ける温暖な串本を代表する生物でもあります。

 

ちなみにゴマハゼは吸盤を持っているため、

普段は水中を漂っていますが水槽掃除などで

ブラシやヘラを突っ込むと隠れるためかガラス等にくっつきます。

gomahaze6.jpg

お可愛いこと…(フランス語だと Comme c’ est mignon. )

 

ちなみに本土の河川にはあまり遊泳性ハゼを見ませんが、

沖縄にはタナゴモドキやタメトモハゼといった遊泳性の高いハゼを見ることができます。

他にもハゼの仲間には干潟を飛び跳ねるトビハゼやムツゴロウ、

逆に泥の中で暮らすワラスボなど面白い形態をもつ種がたくさんいます。

 

ここまで読んでくださったあなた様、

是非この機会にハゼワールドに足を踏み出してみてはいかがでしょうか!

 

 

by ナツメリ

第257回 雪の妖精

昼夜の寒暖差が大きくなってきたこのごろ、

海中公園の敷地内では晴れているにもかかわらず、

雪のようなものが空中を舞っているのをよく見かけます。

 

その雪を手にとると…

白い綿に包まれた翅のある小さな小さな虫の姿がありました。

 

ワタムシ 111.jpg

(写真は木に止まっているところ)

 

一般的には 雪虫 というなで親しまれ

この晩秋になると、どこからともなくやって来て

何もない空中を雪降る景色に変えてしまいます。

 

北海道では雪虫が飛翔を始める、

それから間もなくして初雪が降るといわれていて

冬の訪れを告げる生き物とされています。

 

またふわふわの綿に包まれた姿や

雪が降る直前に現れることから

雪の妖精と形容されることも多いです。

 

雪虫は正式には「ワタムシ」とよばれる生き物の仲間であり、

綿の正体は体から分泌された蝋でできています。

 

 

ちなみにこれが何の虫の仲間かというと

 

ワタムシ 22.jpg

 

 

 

 

実は アブラムシ の仲間です…

さらに掘り下げると、アブラムシはカメムシの仲間に属しています。

ただしアブラムシの仲間は匂いを出す腺がないので触っても臭くありません。

 

この虫は一年もの間に何世代もの子孫を残しますが、

いつでも飛んで生活しているわけではありません。

翅のある世代とない世代が存在し、

飛翔をおこなうのは春と秋で、

この時に生息範囲を広げます。

 

とりわけ秋は数が多く、

白くて小さな体は雪を連想させるため注目度も上がり目立ちます。

ちなみに飛ばない世代は木にくっついて生活をしているそうです。

 

毎年、私は雪虫の知らせを見かけたら厚手の上着やコタツの用意を始めます…

皆さんも雪虫を見かけたら、寒くなりすぎる前に

本格的な冬支度を始めましょう。

 

 

by  ナツメリ

第256回 小さな青い旅人

秋も終わりに近づき、陽が落ちる時間もかなり早くなったこのごろ。

日中でも日差しが雲に隠れてしまえば

体感温度もググッと下がり

肌寒く感じることが増えました

 

草っ原で秋の夜長を鳴き通していた虫たちがの声が消えてきたその一方で、

串本周辺では日中、陽射しの中をキレイな蝶がヒラヒラと空を舞っている

そんな姿が目立つようになりました。

 

筆者も休みを利用し、近くの海岸林道に蝶を観察しに行きました。

この日は晴れのち曇りで、陽が出れば

それに合わせて蝶が林から飛び出してその姿を見せてくれます。

ルリタテハ、アカタテハ、ウラナミシジミ、サツマシジミ など…

特にサツマシジミは西日本の海岸や渓流沿いで見られるシジミチョウです

この時期がピークでこの蝶を求めて、多くの方々が南紀へ観察しに来ます。

 

そんなこんなで色々な蝶を見つけながら道を歩いていますと、

目の前の梢にふわりと蝶が一匹とまりました。

色は水色に黒茶の筋が入ったキレイな蝶で

大きさはアゲハチョウより少し小さいくらい。

 

アサギマダラ.jpg

 

この蝶の名前は「アサギマダラ」(浅葱斑)。浅葱は緑がかった藍色という意味になります。

新選組が着ている青い羽織、あれも浅葱色らしいです。

 

この蝶は日本全土で見られるのですが、時期によって出現する地域が異なります。

なぜそのようなことが起こるかというと、

アサギマダラは渡りを行うからなのです。

 

春から初夏にかけて南で生まれた集団が気温の上昇とともに

産卵をしながら日本を北上していきます。

真夏は涼しい高原などで過ごし秋になれば、

新しい世代の集団が日本を南下していく生態をもっています。

 

短期間にかなりの長距離を移動する力があり、

一日で200kmも移動することもあるそうです。

この蝶が渡りをしていると、なぜ分かったのかと言いますと

 

捕まえた蝶の翅(青地の部分)に油性マジックで、

採集者名、採集日、採集地などを記入し逃がす

その後、蝶が移動先で誰かに捕まえられる。

次に蝶を採集者はデータをその個体から読み取ったあと、また逃がす。あとはこれの繰り返し…

こういったデータを集め、多くの方々が共有しあった結果、

渡りを行っていることが明らかになりました。

小さな体で日本を縦断するアサギマダラはまさに小さな青い旅人です。

 

by ナツメリ

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