海と水族館を丸ごと楽しめる複合施設串本海中公園

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スタッフブログ【さびうらびより】スタッフ:こて一覧

串本の様子や様々な串本の生き物たちを、
スタッフが交代でご紹介します。

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第172回 久しぶり!の新着魚
第168回 冬にもサンゴの白化
第162回 採集事情 その2
第155回 外来種?登場
第146回 訃報:長老のクエが亡くなりました
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第172回 久しぶり!の新着魚

 いつも珍しい魚を釣ってくれる渡船業のAさんから「あれが釣れた」と連絡がありました。Aさんからは去年末にカラスザメ、チカメキントキなど深さ600mから釣り上げた魚を分けてもらっていて、「100mくらいで良い魚が釣れるので、釣れたら連絡するよ」と声をかけてもらっていました。
 で、「あれ」とはチョウセンバカマでした。大きさは25cmくらい。深さ120mから釣り上げられたと言うのに、何とも元気そうなので、その日のうちに「砂場の生きもの」水槽で展示を始めました。

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展示中のチョウセンバカマ

 そんなチョウセンバカマですが、漢字にすると「朝鮮袴」。チョウセンバカマが属するチョウセンバカマ科は世界中で1科1属1種しかなく、南日本に広く分布しているものの、珍しい魚だと言われています。当館に生きたままやってくるのも1980年頃以来、とても久しぶりだと元館長のM氏より聞くことができました。

 その姿はカワビシャ科のテングダイやイサキ科のヒゲダイなどに似ています。背ビレのトゲ、とくに3番目が長いのが特徴なので、別名の「トゲナガイサキ」と呼ばれることもあるそうです。食用になり、けっこう美味しいと書いてある記述も読みましたが、珍しい魚なので上手く飼育していきたいと思っています。

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テングダイ
 
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ヒゲダイ
 
 
by こて

第168回 冬にもサンゴの白化

 最近、急に冷えてきて暖房なしには過ごせなくなってきました。海の中は20℃くらいあるのですが長時間潜っているとドライスーツを着ていても体が冷えてくるようになりました。
 そんなある日(12月13日)、水族館前の海に潜っていくと、一部のクシハダミドリイシ(テーブルサンゴ)が弱々しい色になっていたのです。

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写真1.右半分が白くなったクシハダミドリイシ

 このサンゴが生えていたのは深さが1mくらいのとても浅いところで、その周りでも少しのサンゴが薄く変色しています。サンゴの色が白くなる「白化現象」は、夏の暑さによるストレスで起こることがよく知られています。こんな冬に…、と思うところですが、サンゴは冬の寒さにも弱いのです。
 調べてみると前日は大潮で、夜中の干潮時にはよく潮が引いていました。この薄くなったサンゴの辺りは、海面からサンゴが出てしまうくらいに干上がっていたと思われます。夜の気温は5℃くらいに冷え込んでいたので、このときに海面近くの水温が急激に下がり、水の冷たさでサンゴが弱ってしまったのでしょう。
 そんな弱ったサンゴを見た1週間後(12月20日)に同じ場所に潜ってみると、サンゴが部分的に死んで、薄っすらと海藻が生えて緑色になっていました。

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写真2.部分的に死んだクシハダミドリイシ

 「大変なことが起こっている」と思う人もいるかも知れませんが、実はこういうことって冬の大潮の日にときどき起こるのことなのです。また、死んだサンゴの量は水族館前に生えているクシハダミドリイシの中で、浅いところに生えているほんのごく一部(多分0.001%とか)だと思います。毎年のようにやってくる寒さを乗り越えることで、多くのサンゴはたくましく育っていくのでしょう。最近は「温暖化」の話題が多く聞かれるようになっていますが、海の中でも冬の夜はやっぱり寒いんです。

by こて
 

第162回 採集事情 その2

 当館は串本の海を紹介している水族館です。なので展示生物のほとんどはスタッフが潜って獲ってきたり、釣ってきたり、時には地元の漁師さんに頂いたりして串本の海で採集した生き物ばかりです。各スタッフにはそれぞれ得意な採集方法があります。
 
 と、ここまでは以前GO君が書いたブログそのままです(笑)。そして、私が得意としているのが魚の潜水採集なのです。我々水族館のスタッフはスキューバダイビングをしながら生き物の採集をすることが多いのですが、普通の人が同じ事はできません。水族館では潜水採集の許可証を和歌山県知事に発行してもらい、飼育・研究のために許可の範囲内で採集することが特別に許されているのです。
 さて、私が採集するのは小魚が中心で、大きな素早い魚は捕まえることができません。小さな魚たちも上手く追い込まないとなかなか採集できないものですが、下の写真のように小魚がたくさん集まっている良い場所を見つけるとけっこう簡単に捕まえられます。
 
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クロホシイシモチとミナミハタンポの群れ
 
 海中ではタモを使って魚を捕まえ、バケツを改造した生け簀に入れておきます。生け簀は普通のバケツの口に網を縫いつけてあり、魚が逃げ出さないようにしてあります。採集した場所が深さ10mくらいの場合、30分くらいかけて少しずつ生け簀を浅いところに移動しながら、ゆっくりと陸上まで浮上します。そうしないと、水圧の急激な変化で魚の浮き袋が膨れて浮いてしまい、酷いときには死んでしまうのです。
 
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 生け簀に改造されたバケツ
 
 といった感じで、採集した魚たちは展示水槽に移されます。私の担当している魚の水槽では、採れたてホヤホヤの魚たちが元気に泳いでいます。今は秋の小魚シーズンなので、水槽に小魚たちをどんどん飾っていきたいと思っています。
 
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採集したイトヒキベラたち
 
 釣り採集や漁師さんの網では入手できない小さな魚たちを採集するのが目的の潜水採集ですが、糸を垂らして待つことが苦手な私向きの採集方法です。
 
by こて

第155回 外来種?登場

 串本沿岸は黒潮の流れに乗って、夏に多くの熱帯性魚類の稚仔魚がやってきます。これらの多くは冬の低水温の中では生きていくことができない死滅回遊魚として知られています。夏から秋にかけての高水温期には多くの熱帯性魚類が串本の海を彩っているのです。

 さて、そんな串本の海で、死滅回遊魚とは思われない不思議な魚が相次いで発見されました。そのひとつ目が7月某日に、有田港に浮いて死んでいた金色の魚です。一瞬、キンチャクダイの仲間かと思いましたが、よく見ると淡水魚のカワスズメ科(シクリッド)のようです。淡水に住む熱帯魚は詳しくないので、ネットで調べてみるとゴールデン・セベラムという魚が見つかりました。ゴールデン・セベラムはセベラムHeros severusというアマゾン川北部流域に生息する魚を品種改良してつくられた観賞魚です。拾われたゴールデン・セベラムは体長が15cmほどもあり、水槽飼育していた個体を飼いきれなくなった飼い主がが近くの川に放流したものだと思われました。

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 また、2日後にはダイビングパーク前の海岸を泳いでいたダイビングインストラクターのM氏が「見慣れないフグを見つけた」と言って、撮影してきた写真を見せてくれました。岸近くにいるというので、M氏に協力してもらって採集したところ、タイやベトナム、マレーシアの汽水域に生息するミドリフグでした。このフグはとりあえず裏の水槽に保護したところ、次の日には手に持ったオキアミを食べるようになりました。人によく慣れていることから、これも水槽飼育されていたものが放流された可能性が高い思われます。

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 発見された2種の魚は、どちらも日本に生息していない種で、観賞魚として普通に流通している魚種なので、誰かが近辺に放流した疑いが強いと思われます。同時期に見つかったことを考えると、同じ人が棄てた可能性も高いのではないでしょうか。串本町の沿岸は世界最北のサンゴの海として、その貴重性からラムサール条約湿地に登録されています。自然の賢明な利用と保全を目指す海の近くに、本来生息していない生物を棄てるというのは、絶対にしてはいけない行為です。見つかったのは2尾だけですが、他にも放流された魚がいるかも知れません。今後、そのような魚が新発見として見つかる可能性も否定できないでしょう。

by こて

第146回 訃報:長老のクエが亡くなりました

 水族館で永らく親しまれてきたクエが亡くなりました。「掃除をする魚」水槽で飼育され、ホンソメワケベラに掃除される姿や、その大きさと知名度から水族館内でも代表的な人気者でした。水族館に来たのは20年前の1992年、その当時から全長1m、体重20kgあり、大きさと貫禄を持ち合わせていました。昨年から高齢のためか体調をくずすことが多くなり、先月から食欲が落ちていました。推定年齢30歳以上で、長い水族館の生活で寿命を全うできたのではないでしょうか。お別れの時に計った全長は1.2m、体重は40kg、かなりの大物でした。

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 さて、亡くなったクエの後継者として、白羽の矢が立ったのは5匹のハタたちです。どれも亡くなったクエに比べると子供みたいに小さいので、数で勝負といったことろでしょうか。
 中でも一番大きいのがチャイロマルハタで、全長70cm体重5kg、2010年7月に海中観光船ステラマリス担当のS氏が釣りあげたものです。紀伊半島では珍しいハタ類ですが、バックヤードでの2軍生活が長く、やっとのことでデビューとなりました。

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チャイロマルハタ

 クエも新しいのが入りましたが、まだ全長45cm体重2.5kgほどしかありません。前の大クエと同じくらいに育つには20年以上かかりそうです。このクエは2年ほど前に15cmくらいの小さなものを近くの漁師さんからいただいたものです。4匹の中で期待の新星といえるのがヤイトハタです。今は全長40cm体重2kgですが、クエよりも成長が早く最大150cmになる大型種なので、後々は亡くなったクエを超える存在感を出してくれそうです。このヤイトハタもS氏が釣ってきたものです。

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ヤイトハタ(手前)とクエ(奥)

 また、30cmくらいのアオハタと20cmくらいのアカハタも入っていますが、少々シャイな性格であまり姿を見せてくれません。この2匹もクエと同じように近くの漁師さんからいただいたものです。

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アオハタ

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アカハタ

 他にもテンジクザメ科のシロボシテンジクという底生性のサメと、ヒラスズキも展示し始めましたが、何と言ってもこれら5匹のハタたちがどんどん大きくなっていく様子を楽しんで行きたいと思います。 

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シロボシテンジク

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ヒラスズキ

by こて

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