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サンゴとは

刺胞動物(しほうどうぶつ)
 サンゴはクラゲやイソギンチャクと同じ仲間、刺胞動物(しほうどうぶつ)に属します。この仲間は、刺胞(しほう)と呼ばれる毒針を仕込んだマイクロカプセルを持っているのが特徴です(左写真。細長いカプセルの中に毒針が入っている。)。クラゲに刺されて痛いのは、この毒が特に強いためです。サンゴもこの刺胞をもっていますが、ほとんどの種類はこの毒が弱いため、人に害を与えることはありません。

群体(ぐんたい)で生活
 サンゴは石灰質の堅い骨格を持ち、その骨には無数の穴があいています。その穴の中にはイソギンチャクを小さくしたような虫(サンゴ虫、ポリプともいう)がすんでいます。サンゴ虫はどんどん分裂してまわりにその数を増やしていき、たくさんの虫からなるひとかたまりの集団を作ります。サンゴ虫の分裂と共にサンゴ虫の入る穴も増え、それはまるで共同アパートのような構造になっています。サンゴはこのように集団で生活し、このかたまりを「群体(ぐんたい)」と呼びます。

褐虫藻(かっちゅうそう)とサンゴの働き
 サンゴの体は、堅い骨格の部分とその上におおいかぶさっている、サンゴ虫からなる肉の部分に分けられます。浅い海にすむサンゴは、その肉の中に褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる小さな海藻をたくさん共生させています。褐虫藻は、直径0.01mmの丸い単細胞の藻類で、サンゴは褐虫藻が光合成によって作った栄養のうち半分ほどを自分の生活のために利用し、残りの半分を体の外に放出しています。そのため、サンゴ周辺にはたくさんの生き物が集まってきます。また、サンゴは、サンゴ自体やサンゴの骨が堆積してできるサンゴ礁が複雑な地形を作ることによって、いろんな生き物へ格好の住み家を提供します。

ちょっといっぷく
サンゴのけんか
 岩にくっついて生きているサンゴにとって、自分がくっついている基盤、いわば土地は大事な問題の一つです。サンゴが大きく成長するためには、より広い土地が必要となります。しかし、いつも自分のとなりが空き地であるとは限りません。サンゴにとって良い条件の土地であるほど、すぐ近くに別のサンゴがすんでいるものです(人間の社会とよく似ていますね!)。種類のちがうサンゴ同士が近づくとどうなるでしょうか?
サンゴたちは互いに自分たちのテリトリーを守ろうと攻撃しあいます。これがサンゴのけんかです。攻撃には、隔膜糸(かくまくし)やスウィーパー触手といった強い毒をもつ攻撃用の道具が使われます。負けた方のサンゴは攻撃された部分が死んでしまい、それ以上は成長できなくなります。時には相手の強いサンゴに殺されてしまうこともあります。おだやかに見えるサンゴの世界も、実は壮絶な生き残りをかけた戦いがくり広げられているのですね。


左のイボサンゴが右のキクメイシを攻撃しています。クモの巣のようにみえる白い糸はイボサンゴの隔膜糸で、これによって相手を殺し食べてしまいます。


サンゴ礁とは
 サンゴ礁とは、サンゴや貝、有孔虫など堅い骨格を持った生物の死骸が長い時間をかけて堆積し固まった地形のことをいいます。サンゴ礁が見られるのは、日本では種子島〜沖縄諸島、小笠原諸島などで、串本はサンゴはいっぱいあってもサンゴ礁ではありません。
 左の写真は沖縄県は八重山にある黒島のコア(地質調査のため地中深くボーリングして岩盤をくり抜いたもの)です。黒島はサンゴ礁が隆起してできた島で、この岩は琉球石灰岩と呼ばれ、第四期更新世(約150万年前)以降に作られた比較的新しい地層です。よく見ると、岩には穴が空き、サンゴの骨格も見分けることができるほど粗い構造なのが分かります。

海のオアシス
 熱帯の海は青く美しく澄んでいてたいへんきれいですが、栄養に乏しいため動物がくらすにはいい環境とはいえません。しかし、サンゴが生息することによって栄養と住む場所が提供され、世界の海の中で最も生物多様性の高い場所が作られます。サンゴは海のオアシスと呼ばれるのはこのためです。


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